ただのTSじゃないよ
- ★★★ Excellent!!!
戦争の残酷さ、戦場に生きる人達の必死(文字通り)さ、主人公のそんな戦場での活躍と本性、それらを描きながら戦争に対する教訓も含めていてとても良い作品だった。
戦場を生き残るにはどこまでも非情に、残忍に、合理的にならなければならないが、主人公はそれが出来たり出来なかったりする。同じ塹壕で寝た仲間と何度も何度も死に別れなければならなかったり、作戦のために部下の命を捨てさせたり、かつての恩人を嬉々として殺したりして主人公の心は追い詰められもしたが、それでも前を向いて生きた、いや生きるしかなかった主人公に尊敬の念を抱く。自分の出した犠牲について目を逸らさないと心は壊れてしまうだろう。それでも最後には死者に目を向けて追悼しなければならない。それが戦友としての矜恃だ。
個人的に、ロドリー君との死別の場面が美しすぎて今までにない程の感動を覚えた。もはやここで終わっても良いのではないかとも思えた程である。この作品の魅力が全て詰まったシーンだと思う。このシーンは本当に何度も読み返してしまうほどに魅力的である。私は戦場のほんの片隅に咲く、小さくて美しい愛情という名の花が好きなのだ。
「TSモノねはいはい」とか「チートないのか…」とか思って見逃すのは本当に勿体ない。
無料で読んでしまったことを申し訳なく感じてしまった。書籍とコミックも購入させて頂こうと思います。