成就
左側にサイドカーがあるでしょ。
だーかーら。
アクセルオンの時、つまり加速時は単車側が前に出ようとして、サイドカーが重りになってしまうので左側に曲がってしまう。
アクセルオフの時、減速時は単車側に制動力が発生し、サイドカーは慣性で前に進んでしまうとするので右側へ曲がってしまう。
その為、通常走行時は、一定のエンジン出力でも走行するというのは難しく、常に加減速を繰り返しているもので、直線であったとしてもハンドルにて補正し続けなければならないのだ。
逆にその特性を活かして、ターンのきっかけ作りに役立てると、余計な腕力を必要とせずにスマートな操縦ができる。
激しいエンジン音に反して、速度が遅いな、自転車と同じ、いや、全速力で漕ぐ自転車よりは速い、かな、どうかな、どうだろう、もしかしたら遅いかもしれない、全速力で漕がない自転車よりも。
口に出したわけではない。
百本はあるのではないかと思われる赤薔薇の花束を口呼吸しながら抱え、どこどこまでも、続く真っ黒い舗装道路と、真っ青な空と、浮雲を見つめていた
安全運転大いに結構、とも。
ぼんやり思っただけであるのに、まさか心中でも読めるのだろうか。
「サイドカーをどうしても運転してみたくってさあ~」
「はあ。いいですね。夢が叶って」
私とは違って。
(2024.6.4)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます