第19話 騎士団と話し合い
今日は完全にオフの予定だったが、急遽ライソンに同行して王国騎士団の方々と会うことにした。
ミレインとメルファには悪いとは思いつつも、やはり今後この町をどう守っていくのかという協議には関心がある。それに、向こうもドネスたちを蹴散らした俺と一度顔を合わせたいと言っているらしく、お互いの思惑が一致した形となった。
場所はギルドの二階にある会議室。
いつも使う応接室とは違い、こちらではより重要かつ緊急性の高い話し合いがもたれるという。ギルドにはすでに騎士団所属の騎士が数名到着しており、すぐに移動して話し合いが始まった。
「私は騎士団より派遣されてまいりました、オルゴンと申します」
丁寧に挨拶をしてくれたオルゴン。
……若いな。
ミレインと同じで二十代前半くらいか。
それでも今回の代表者として自分よりも年上の騎士たちを従えている立場……かなりの実力者のようだ。
「リゾムのギルドが悪党たちによって支配されていたという事実を把握できておらず、申し訳ありません」
「いや、もっと早くに騎士団へ応援を要請すればよかった。ヤツらを侮った挙句に拘束されてしまうという失態をした我々にも責任があります」
ライソンは俺がリゾムを訪れるまで監禁状態だったらしい。
そこを逃げ延びたギルド職員に救出され、一致団結し、特攻覚悟でギルドを取り戻そうと乗り込んできたとのことだったが……俺の到着があと少しでも遅くなっていたらと思うとゾッとするな。
ただ、騎士団としても責任を痛感しているようだった。
このリゾムは決して小さな町ではない。
ここが悪党たちの手に落ち、経済機能が麻痺でもしようものなら国に与える損害は計り知れないものとなる。連中は自分たちのことしか考えていないだろうからなぁ。手遅れとなる前に取り戻せて本当に良かった。
その後、オルゴンはリゾムに新しい自警団を設置してみてはどうかとライソンに提案。
彼もまた同じことを考えていたようで、この話はすんなりまとまった。
しばらくは騎士団からも数名を派遣し、様子を見ていく流れになるだろうという。
滞りなく話は進んでいった――かに思われたが、
「そういえば、デレクさんは【ヴェガリス】のメンバーでしたね」
突然話題は俺とかつて所属していた救世主パーティーの話題に変わる。
「えぇ……と言っても、私も弟子のミレインもすでに抜けてしまい、今は完全にフリーの状態となっていますが」
「では、現在【ヴェガリス】が置かれている状況をご存じない、と?」
「【ヴェガリス】の現状……ですか?」
正直、興味も関心もないが、オルゴンの口ぶりが気になった。
どうやら、連中はかなりまずいことになっているらしい。
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