第25話

「2人が並んで立っていたらきっとすごいんだろうな」

「しょっちゅう間違えちゃいそう」

「でも、楽しいだろうな……」

「だね」


 華さんは囚われている。それだけ大事に思っていたんだよね。私にも、そんな親友がいたらな……


「翠、今何考えてたの?」

「え、あっと、ね、早く退院して思いっきり遊びたいなーって」

「え?」

「華さんと話してると、自由にすごく憧れる。みんなが当たり前に過ごす毎日が、私には眩しく見える。あれ…もう考えがだめだな……」


 華さんはちょっと困った顔をした。どう返したらいいか、私にも分からない。

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