第22話

 その日の夜。私は病院を抜け出した。行き先なんてない。力尽きるまで歩こうなんて考えで誰もいない街を歩く。いつか私が力尽きて、お姉ちゃんを縛るものがなくなればいいんだ。


 しばらく歩いていると、巡回中だった警察官に会ってしまった。

「こんばんは」

「……こんばん……は」

失敗した、かな……


「ちょっと君?な、大丈夫か!!おい!!」


 ※ ※ ※

 目が覚めるとついさっきまでいたはずの街にはおらず、見知らぬ病室に私はいた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る