W.E.A.ST

凜鷹

序章

思いのほか止まぬ大雨を横に病室に横たわる娘をみる。

生きているが、死んでいるように白い肌に

規則的な心臓の生存を知らせる音。

「どうして、こんなになっちまったんだろうな」

誰に向けての言葉かもわからず、ただ溢れた言葉。

自分自身に言ったわけでもない言葉は自分を俯瞰しているようで気持ち悪い。

「やり直そうか」

暗すぎる病室を背にして私はロビーへと戻るべく足を進める。

どうせ死ぬのなら、やり得だ。

そう胸に唱えながら。

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W.E.A.ST 凜鷹 @ritoca

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