男です。浮気をしています。

エリー.ファー

男です。浮気をしています。

「浮気をしています。でも、やめられないんです。助けて下さい」


「浮気をしたくて、しているわけじゃないんです。信じて下さい」


「浮気をされた側にも責任があるはずなんです。そうですよね。だって、おかしいじゃないですか寂しいって思わせた側の責任だって、あるはずでしょ」


「浮気って、最終的には愛に自由を与えるものなんです。浮気を悪いとしている世の中が悪いんですよ。ねぇ、そうですよねぇ」


「浮気をしたっていうよりは、寂しかった、ということなんですよね。うん、そのあたりを分かってもらわないと困っちゃいますね」


「浮気がしたいんです。皆、だってそうでしょう。自由に生きて、自由に恋愛して、自由に自分をデザインして何が悪いんですか。ねぇ、そうでしょう。浮気して、ここまで糾弾する世の中が悪いですよ。おかしいじゃないですか」


「浮気をしたわけじゃないんです。恋愛をしたんです。それが、世の中が許さないものだっただけなんです。あぁ、その、相手も怒ってましたけど、それはいいじゃないですか。だって、個人的な関係なんですから、世の中が興味を持つのはおかしいですよ。いいじゃないですか、二人の中だけで完結するものなのに、色々意見を言ってくるなんて、変ですよ。浮気くらいで、一々うるさいですって」


「はいっ、ごめんなさいっ。浮気しましたぁっ。はいぃっ、すみませんでしたぁっ、これでいいっ、これでいいかなぁっ、許してくれるわけっ、これすればいいんだよね。いいんだよねぇっ。ちゃんと浮気したって認めたんだから終わりだよねぇっ、浮気してないって言ってないんだよ、浮気したって言ったんだよ、ちゃんと謝ってるじゃん。いいじゃん、別にさ。減らないじゃん。減るものじゃないんだから、別に困らないじゃん。そうでしょ。皆が浮気しないのがいけないわけで、浮気が特別な行動になってるのがいけないんだって。ねぇっ、冷静になって考えるべきだって。おかしいじゃん」


「浮気の何が悪いの。ねぇ、何が悪いのか言ってみなよ。浮気しても生きていけるし、浮気しなくても生きていけるなら、楽しい方を取るのは人間として当たり前の考え方でしょ。それの何が悪いの。ねぇ、人間をやめろって言いたわけ。もう、人間をやめて、何も考えずに、何も感じずに、何の感動もせずに生きていけって、ことを言いたいんでしょ。だって、そうじゃん。それって、感情を持つなってことだからね。そういうクソみたいな考えだから、お前は浮気とかを悪いものだって捉えちゃって、勝手に困ってるんでしょ。お前は分からないじゃん、こっち側じゃないんだから。同じ性別じゃないんだから、お前ごときにこっちの気持ちなんか分からないだろって言ってんの。バカが。分かったかよ。理解し合うのは難しいんだよっ。じゃあ、我慢できる側が我慢すればいいだろうがよ。それの何がいけないんだよ。そうだね、子どもがいるね。だから、何。そういうのだって、理由にもなるよね。あぁ、そう言われても分からないんだ。じゃあ、お前じゃ無理だ。お前、ダメ。もう無理。お前がクソ。こっちに浮気をさせたお前がクソ」

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