第11話 ゆ、夢?


「ひぐれとお話しできるの嬉しい! ねえねえ、よるの夢に出てくる時は毎回こんな風におしゃべりしてほしいな!」

『ゆ、夢? …………あー、そういうことか。僕もよると話せるのは嬉しいけどあっちでしゃべると撮れ高提供するだけだから、夢の中だけね!』

「やったー!」


 ひぐれは夢の中でも優しい! わんちゃんがいるからなでなで、あとでいっぱいしよっと!


「おい、ひぐらし聞いてるのか」

『んんっ! ひぐれ、な?』

「むむ……コホン」


 ん? ひぐれとゴートさんがこっち見てる。


「なあに?」

『あああ、いやいや。フォルカをよく見つけてくれたね』

「えっへん! お父さんから教えてもらった方法でボーっとしてたらこの子がいたんだよ!」

『うん、意味がちょっとわからない。和樹、何を教えてんだろ?』

「おい、ちょっと待てひぐ、れ。和樹とは勇者のことか? よる姫様はまさか、太陽の勇者と女神ファルルの御子であらせれるか!」

「あられらっ?! ……! ……、……?!」


 いったーい!


『あ。ゴート難しい言葉使うなよ、よるが舌噛んじゃってる。分かるように話せ。ほら、よるにフォルカ。この回復薬を飲むといい』


 わう?


『ほらフォルカ口開けて、大丈夫だから。そうさ、よるは和樹と……あ、これもしかしたら言っちゃまずいヤツか? ゴート、取りあえずその話は後だ』

「治った、お薬スッゴい! あれ? ゴートさんはお父さんを知ってるんですか!」


 わう?

 わうわうわうわうっ!


「あ、フォルカ君も飛び跳ねてる! 治してもらえてよかったね! ねえねえひぐれ、これなんて言うお薬なの?」

「後で、とはどういう訳だ? よる姫様はそのことをご存知ないのか? 何故ここにいらっしゃる。勇者と女神はどこだ?」


 わおーん!


『ゴートうぜぇわ! お前、何で勇者と女神よりよるを上位扱いしてんだよ! 姫姫姫姫血迷ってんじゃねえよ!』

「ふぐぅ」

『よるに言ったんじゃないよ?! 違うから半べそかかないで! よーしよしよし』

「お前が一番やかましいんだが……」





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