16.〝僕・雨・勇気〟を入れて140ss

 あ、と小さな声が耳を撫でた。

 隣を歩く幼馴染の視線を辿って理解した。斜向はすむかいの店の軒先で、彼の想い人が雨宿りしている。

 私は半眼を閉じた。


「送ってあげたら。私は帰るし」

「えっ僕が!?」

「こんなチャンスないよ。ほら」


 今勇気を出さなくていつ出すんだ。

 持ってた鞄でバンと尻を叩いてやった。






――――――——————————――――


〝僕・雨・勇気〟を入れて140ss(138字)

2024年2月19日

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