英雄の条件
犬時保志
第1話 盲目になった狙撃兵
ここは果てしない戦いが繰り返されている世界だ。
戦いの原因が何であったのか、既に誰も覚えていない、ただ肉親知人を殺した敵に対する憎しみのみで不毛な戦いが続いていた。
長距離攻撃は弓矢や投石、近接戦闘は槍や剣での戦いであったが、数百年続いた戦時下で武器兵器が飛躍的に進化して行き、やがて小銃や大砲などのもっと効率的な殺人兵器が開発され、当然の様に大量破壊目的の超長距離攻撃兵器が開発された。
兵器と共に守りも進化して行き、いつの間にか都市も要塞化され難攻不落の要塞都市になって行った。
敵に決定的打撃を与える事が出来ず、戦いは一進一退
兵器の進化に伴い、人も徐々に進化し特殊能力者が現れるようになった。
主人公のサンドも特殊能力者の一人である。
私サンドの生還率に小銃命中率が異常に高かったため、特殊兵を見出だす義務を持つ士官の
私の狙撃の成果は他に類を見ない卓越したもので、伍長から軍曹に昇進するのは瞬く間だった。
軍曹に昇進する事で、10人の部下を指揮する事になった、私と言うスナイパー有っての小隊なので、部下達に尊敬はされても決して慕われてはいない上官だ。
比較的安全な後方高台からの遠距離狙撃、今日も無事に終わるはずだったが、一発の敵砲弾が運悪く我が小隊を全滅させてしまった。
気付いた時には囚われの身で、敵士官に尋問されていた。
尋問を受け「国防軍遊撃小隊、小隊長サンド軍曹」と軍階級以外は答えなかったが、自分の名は敵軍に知れ渡って居たようだ。
「
焼いて先端が尖った小枝を両目に突き刺され、私の暗闇生活が始まった。
暗闇の恐怖から、仲間を誤射させる狙いで有ろう、持たされた狙撃銃を杖代わりに、水筒の水だけを頼りに3日暗黒の中をさ迷い、奇跡的に生きながらえて救出された。
階級章と私の狙撃銃を見て、自分がサンド軍曹と確認されたようだ、救助時は人物判定不能な容姿で、酷い状態だったとか。
私は曹長にお情け昇進し、後方任務に回され傷の回復専念する事になった。
念入りに完全失明処置され、眼球の無い私の視力が回復するわけが無い、いずれ枯れ木も山のにぎわいと、廃銃を持たされ突撃と言う名の処刑を受ける運命と
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