第9話 馴れ初めの話2

「出会い系アプリって、あの……セフレとか探すやつ?」


「やだぁ~あっちゃんのエッチ♡」


「う~ん……というかぁ~〝マッチングアプリ〟ですね。

 自分のプロフィールと、相手に希望する条件を入力して、ぴったりな相手をアプリが探してくれるんです♡」


「へぇ~それは便利ね~」


「身長180cm以上とか年齢とか趣味とか……結構、細かく設定できるんですよぉ~」


「そこで二人が知り合ったから、相性ぴったりなのね~♡」


「絶対ではないですけどねぇ。

 実際に会ってみたら、想像と違っていた……っていうのは、あるあるです♡」


「あっちゃん、そのアプリ使ってみたら?

 素敵な人に出会えるかもしれないわよ~♡」


「え~……出会い系はなぁ~……それにバツイチの子持ちって、需要ないでしょ~」


「そんなことないですよ!

 意外とバツイチ女性って人気があるんです♡

 特に、敦美ねぇさんのスタイルなら引く手数多ですよぉ~♡」


「えっ! そうなの?!

 私でも、まだイケるかしら???」


「イケます、イケます♪

 志麻ねぇさんのビジュアルなら、大モテですよぉ~♡

 同じバツとコブ付き男性から年下男子まで、選り取り見取りです♡♡」


「なるほど~確かにお互いバツ同士なら、気持ちがわかっていいわよね~」


「ふ、ふ~ん……ねぇ、香穂。そのアプリ、あとで教えてくれない?」


「いいですよ~♡ LIMEから送りますね~♪」


「香穂ちゃ~ん。わ、私もそのアプリ、教えて欲しいなぁ~♡」


「おいっ! 志麻ねぇには、兄貴がいるだろっ!

 あんな兄貴でも、それはちょっと可哀そうだぞ!」


「やだやだ、登録してみるだけよ~。

 この歳になると、誰もちやほやしてくれなくなるじゃない?

 私も、まだまだイケるって思いたいだけなのよ~」


「その気持ちは、ちょっとわかる…………でもダメ!!」


「え~ん」


「そういえば、志麻ねぇさんとお義兄さんの馴れ初めって、本当はどうだったんですか?」


「んー……そんな大した話じゃないのよ~。お互い付き合ってた相手がいたんだけど、だんだん惹かれ合っちゃって……」


「え~っ! それこそ大した話じゃないですか~!

 もっと詳しく聞かせてください♡♡♡」


「アプリ教えてくれる?」


「それはダメ!!!」「それはダメです♡」


「いけずぅ~」


「それも死語だな」


「あっちゃんの離婚した理由ってなんだったかしらぁ~」


「知ってるだろーっ!! 修羅場に立ち会ってただろー!」


「え~香穂、その話もっと詳しく聞きたいですぅ~♡」


「聞かんでいいー!!!」

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