第23話 取り憑かれた歌舞伎な男
「キャーーーッ」
数名の女性従業員が悲鳴を上げてる。
かぐや姫はその場に座り込んで硬直し、竹取の翁と
「なんじゃ?かぐや様の
「な、何だあれ⁉ おっとぅ、あれが何だか分かるか?」
「そんなの分かるわけね〜だろ」
その時、桃太郎は鞄から一冊の本を取り出し、パラパラと何かを探していた。
「あったこれだ! 兄さんそいつは
霊鬼が桃太郎等を睨みつける。
「そこの
そういうと霊鬼は青白く半透明の体をグルグルと蛇のようにクネらせ、かぐや姫の体に巻きついた。
かぐや姫は恐怖と嫌悪感で体中から大量の汗が吹き出ていた。
「……その恐怖に歪んだ顔も美しく…妬ましい……」
さらに霊鬼の蛇のような体はかぐや姫を締めつける。
かぐや姫はそのムチで締めつけられるような痛みに声にならない悲鳴を上げる。
「助けてくだされ! 助けてくだされ
竹取の翁は
しかし
「
「これはこれは、ここに良い器があるでないか。 この霊体の体では人の感触というものを感じられん。 どれお主の体、
霊鬼はかぐや姫から離れ、蛇のようにクネらせながら
「…く、来るな!
霊鬼はスルスルっと
「…や、止めろ! …グゴ…グゴゴゴ……」
口づけをするかのように霊鬼の口は
霊鬼の体全身が
『ばぎゃ、るはしぇ……おびっとしゅ……は、や、しゅる……』
白目を向き正気をなくした
『やはり生身の体は動かすとしっくりとくる〜。 ただこの体がむさ苦しい男というのが不満じゃがな……』
『……美しく……やはり
霊鬼はかぐや姫に歩み寄る。
『……妬ましい程に
震えて動けないかぐや姫の口へ、霊鬼は自身の右手の人差し指と中指をくっつける。
「バチンッ!」
霊鬼の指がかぐや姫の唇に触れた瞬間、霊鬼の指は雷に打たれたかのように弾かれた。
『巻きついていた時から薄々気付いておったが、
その頃お爺さんはコソコソと竹取の翁の元へ向かって行った。
「そこのお主、お主はこの劇場で偉い立場であろう? もしわしらがかぐや姫を助けたら、かぐや姫の
「グ、
それを聞いたお爺さんは腕をパンパンと鳴らした。
「まかせておれーい!」
そしてお婆さんの方を指差す。
「ババァ人助けじゃ! 今すぐ戦え!」
自分で戦わずお婆さんに命令するお爺さんに呆れて、お婆さんは口を開けて呆然とする。
「人助けには異論はないが……まったくジジィは目立つ事をしおって……何の為に竹取の都に来たのかを忘れたのか……。 仕方ないの、でもまずはジジィお前が先に戦うのが筋じゃろう」
お爺さんはモジモジしながら返答する。
「だ、だってわし…あの若返る凄い力がどうやって引き出すか……今だに分からんのよ……ジジィのままで戦えはすぐに殺されてしまうんじゃ……だからババァ代わりに戦ってくれ……」
そう言われたお婆さんは
モゾモゾと何かを探し、薄い桃色の固形物を取り出した。
「ババァ、それは何じゃ?」
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