第2話
今私が借りてる部屋に美少女がいる。目の前にちょこんと正座で座ってる〜!
何であんな事言ったんだ私!というかこの子も「良いですよ」って普通に付いてきたし!
あ〜私も何だか釣られて正座してるよ〜。
何かキョロキョロ部屋見てるし、どの部屋も大して変わらないよ?
「・・・・・」
「・・・・・」
沈黙が続く。
いや無理!だってノープランだもん!!もう見てるだけで良かったのに〜!
改めて見てもすっごい綺麗だなぁ。私とは正反対の人種だ。
見惚れていると、美少女から声がかかる。
「何もしないんですか?」
え?して良いの?いやいやダメでしょ!
じゃあ何でこの子を部屋に呼んだの、私は?
「じゃあ何で私を部屋に呼んだの、貴方は?」
え?私が思った事と同じ事言った?
「貴方が何もしないなら私がしますよ・・・・・」
そう言うと美少女は私に乗りかかってきた。
「ドキドキしてますか?どう?心臓痛い??」
ドキドキしてる。人生で一番心臓が痛いかも。親と揉めた時より学校であの事件があった時よりも。
「じゃあいただきます」
美少女の顔がだんだん近くなる。
いただきますってどういう意味の?なんて考えてると距離が0になる。
という所で!
「お客様!当店でそのような行為はおやめ下さい!」
「ゲッ!?松!」
松さん乱入!!ん?今ゲッ!?って美少女が言ったのか??
「こんな所にいたんですか!こっち来ちゃダメだって言ってたでしょ!!」
「違う〜!ドリンクバー!こっちしかない種類があるから〜」
「どっちも一緒です!早く戻る!」
「うう〜生殺し〜」
松さんが部屋に入ってきて、美少女の頬を引っ張りながら説教して、美少女が半泣きで部屋を出てった。
その光景をキョトンと見てる私に松さゆは言った。
「竹、あの子の事は忘れろ。もう関わるなよ」
「え・・・・どういう・・・・?」
そう言って部屋のドアを閉めいなくなる。
そのあと松さんは私と距離を置くようになった。私が質問責めすると思ってるんだろう。
実際前の関係だったらそうしてかもしれない。
けど、距離を置かれて私の頭は余計にあの美少女でいっぱいになった。
何日も何日も美少女の事を考えて悶々モヤモヤ。
あの日から20日程経った日。
私は美少女にまた会った。
「あっ!」
私は追う。しかし美少女は漫画棚の間をスルスルと抜けていく。
追いついたかと思えばまた消える。それの繰り返しだ。
そして私は松さんに行くなと言われた扉の前に行き着いた。
「ここは・・・・」
「こんばんは、お姉さん」
後ろから声がする。
「あっあの」
「あの時はごめんなさい。邪魔が入っちゃって」
「いや・・・大丈夫・・・・です」
「あれからずっとお姉さんの事ばっかり考えてました」
「・・・・私も君の事ばっかり考えて・・・ました」
「良かった・・・お姉さんとあの続きをしたいんだけど。どうですか?」
「え」
「その先なら邪魔も入らないんです」
そう言って美少女ほ扉を指差した。
「だってそっちは松さんがダメだって・・・・」
「貴方はこんな世間からズレた生活をしているのに真面目だな、いや真面目だからこそこんな生活に憧れてそうしてるのかな。」
「!!」
美少女の口調が変わる。
「フォース女学院出身で親も公務員に教員かぁ。絵に描いたような真面目な家庭。息苦しさでも感じてしまったか、自分は何故真面目なのにその真面目が息苦しいのか?出来ないのか?と」
「何でそんな事知って・・・!」
「それは、これまで自分で決めてこなかったからだ。自分で責任を持って行動する。そういう意味でもネカフェ暮らしはまぁリスクの少なく非現実を感じる事の出来る手だな」
私は黙って美少女の話を聞く。
「この扉の先は更に非現実だぞ、それに加えて現実も知る事が出来る。だがリスクもある!」
美少女は扉の取っ手に手をかける。
「どうする?決めるのは自分だ。そのまま悶々と生きるか、何があっても自己責任、親も警察も誰も助けてくれないが非現実の現実の新しい世界を知るか」
喉が渇いていく。求めている非現実を。
「これだけは言っておく、扉の先は甘く甘美で気持ち良い世界だと」
美少女が悪魔的に笑う。
私は扉の向こう側に立っていた。
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