ネカフェ暮らしのニートと訳アリお嬢様の百合
藤いろ
第1話
夜。池袋。昔はカラーギャングとかいて危なかったり、陽キャやヤンキーで溢れてたりした。
その反面乙女ロードやでっかいアニメイトがあったり同人、コスプレのイベントいっぱいやったりのオタクの街でもあったり。
混ざらない物が混ざり合ってる街、それが池袋。
その池袋のネカフェに私は住んでいる。
私は今住んでいるネカフェ【NTOJ】のカウンターで店員に声をかける。
「よ〜松さんただいま〜」
「おぉ竹、お帰り」
「いやぁまさかネカフェにただいまって言う人生になるとはw」
「早く家帰れよ、家出少女」
「いやいや少女って歳じゃないんで〜。それに30日プランとかあるのがいけないんですよ〜」
「今はお前みたいのがいっぱいいるんだよ。あ、そーだ、あっち側には絶対入るなよ。専用スペースだから」
松さんが指さした先には鉄のように重そうな扉。店の大きさ的にあっち側にもかなり部屋数がありそうなんだけど、どうにも特別な人しか使えないスペースらしい。行くのも覗くのも関わる事自体がダメらしい。
VIPってやつかな。
「へいへーい」
適当に返事をして自分の部屋に向かう。
私、竹(20)ネカフェの30日プランで暮らしている。家をだってこっちのが普通に家賃払うより安いし、持ち物だってキャリーバック1つしかないしね。
松さんと別れて部屋に買ってきた焼きそばをぶん投げてドリンクバーに向かう。
ドリンクバーに行くとそこには何かに迷ってる1人の少女が。その少女をよく見ると。
「美少女ーーーーーー!!!」
その少女は振り返りこう言う。
「はい、美少女です❤️」
自分で美少女って言った!マジか!
「あのお姉さん少し宜しいですか?」
「え!?はい!?私!?」
「この機械はどう使うんですか??」
ドリンクバーを指差して言う美少女。
「ドリンクバーの使い方?お嬢様かよ」
「はい、お嬢様です❤️」
お嬢様だったーーーーー!!!
「これはこのボタン押せば、ここから飲み物出てくるから」
「オススメはありますか?」
「そりゃあコーラ一択でしょ。コーラは至高」
「これですか?おぉ〜出てきました!黒いですねぇ」
あぁ〜なんて美少女なんだ、ずっと見てられるくらいだ。全身白いヒラヒラしたもうtheお嬢様って服に透き通る白い髪、白い目。主線以外は全部白い!いや主線すら少し透けて消えている。これじゃあ塗りつぶせないよぉハミ出るハミ出るぅぅ!
「じゃあありがとうございました」
「あっ!」
コーラを持ち去ろうとする美少女に私は思わず声をかけてしまった。
「??」
不思議そうな顔をする美少女。そりゃそうだこんな黒とピンクの田舎のドンキにいそうなジャージが引き止めちゃあね。この子は綺麗、私は汚い。これ以上関わらないのがこの子為。
「あの、私の部屋来ない?」
そんなの関係なしに犯罪的なセリフを言ってしまう私。
おい、さっきまでの思考はどこ行った!!
そう考えてる内に私は見逃した。
天使のような美少女が見せた悪魔の笑顔を。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます