第3話

 ーー夢オチ?いやあれは多分前世の記憶。


 ・・・その後のことが全く思い出せない。もしかしなくても私ってあの直後に死んだの?

 嘘でしょ。だってあれは高校一年の春休み、私、たったの16歳で死んだの?てっきり120歳まで生きて悔いなく死んだのだと思ってた。逆になんで記憶を思い出した時気づかなかった。馬鹿か?

 




 あと私、なんも覚えてない。いや一般的な知識とか授業で学んだことはなんとなくは覚えてるんだけど人の顔と名前が全く思い出せない。自分の名前、顔も。

 死因は何?事故った?病気?それとも事件に巻き込まれた?・・・思い出せない。


 ああああああ! なんで?私が死ぬの? もっと友達とカラオケとか、旅行とか色々遊びたかった! まだ彼氏だって、できたことないのに! 彼氏と華のキャンパスライフ送りたかった! 悔しいい!


 

 

 

 一旦落ち着こう。そもそも私、女子校だから彼氏との華のキャンパスライフは無理だったかも。それに高校生は大学受験という地獄があるじゃないか。

  

 いや、それなら大学生になってからでもいいじゃん。

 

 ああああああ! 大学生になってサークルとか入って、打ち上げで酒を飲みまくりたかった!タバコだってほんとは吸わない方がいいけど一度くらい経験したかった!ギャンブルの楽しみ味わいたかった! くそおお!







 


 はぁはぁ。つい取り乱してしまった。今度こそ落ち着こう、深く息を吸ってぇ吐ぁく。

 よし、落ち着いた。何を取り乱すことがあるんだ。今、生きてるじゃあないか。そうだ、今度こそ長生きして、悔いのない人生を送ってやろう。

 

 前世は行いが悪くてバチが当たっで死んだとは思えない。あるとしたら前世の前世に何か悪いことをしたんだ。前世の前世めぇ。許すまじ。


 てかあのお婆さんなんなんだよ。成功どころかあのあとすぐ死んじまったじゃねぇか!ふざけんなぁ!


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