第2話
「ーーーー!」
うーん、眠いなぁ。静かにしてよ、誰?
「起きろおお!」
「うっわ、うるさ。何?」
「しゅ・う・て・ん!」
「終点?・・・もう降りなきゃじゃん」
「そうだよ! だから起きろ! 立て! 二度寝すんな!! 次のホームまで競歩で急げぇ!」
「はいっ!」
ギリギリ間に合ったぁー、しかもちょうど座れてラッキー。
東京、やっぱすごいなぁー、まさか駅のホーム探すだけで20分もかかるとは。ん?横から寝息が聞こえる。・・・もう寝たのか。二人できたから寝られるとすることないな。スマホいじるか。
この子にもいつも助けられてばっかりだよなぁ。あれ、この子って名前なんだっけ?
「じゃあまたねー」あの子はこの後、親戚の家に寄ってから帰るらしい。電車内でお別れだ。
「うん、バイバーイ、帰り気をつけてねー。」
「ーーーーもね」さっきからちょくちょく何言ってんのか聞こえない。寝不足かなー?軽く寝よ。
「嫌だわそれほんとー?」
「そうよぉ、ほんっとにあの時は大変だったんだから」
「あんたほんとに運悪いわよねー」
「不思議よねぇ。前世どんな大罪を犯したのかしら」
「2人ともいやあねぇ、運なんて関係ないわよ。全ては偶然! それに前世なんて関係ないでしょお。長く生きてると色々あんの!」
ふぁああ、30分ぐらい寝たのかな?
はっ! 左隣に座るは年長者と思しきお婆さん、前には2人のお婆さんたちが立って談笑中。気づいたらバァさんトリオに囲まれてた!強烈な加齢臭。失礼か。だけど寝起きは機嫌が悪いんだ。頼むから
静かにしてくれ。
あ、右隣一気に2人分席空いた。おぉ抜け目ない、年の功か。ふたりのお婆さんが目を合わせると同時に何かしらの合図がされたのかサッと座ったぁ。挟まれたぁ。オセロだったら私までお婆さんなってたぁ。てか左隣のお婆さんと席交換するか。これじゃあ一人仲間はずれだ。
「あの、席交換しませんか?」
「あらぁ、いいの?ありがとうね。あんた成功するよほんと。優しいねぇ。親に感謝しな。変なおばさんだろ。でもいいんだよ。ありがとうね。帰ったらお母さんに産んでくれてありがとうっていうんだよ。」
「あはは、わかりました」癖強いなこのお婆さん
「「「あっはっはっは」」」
隣で話されるとうるさい。恩を仇で返されるとはこれいかに。
今日は疲れたぁ、この後自転車で帰んのか。ダルいなあ。雨降ってるよ。
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