異世界日本

裏竹助

第1話 初当選は雑魚

ここは異世界日本。

恐らく転生して日本に生まれ変わった。

前の名前は忘れた。


僕は吉田太一。25歳。じいちゃんの地盤から選挙で出ようとする受かれば四代目になる職業政治家になろうとする。


背の高さは175センチメートルで体重が71キログラムとやや重めな体格。

このため筋トレを欠かさない

髪と目は黒で眼鏡を掛けている。


これまではじいちゃんの私設秘書として頑張ってきた。

「太一、お前が次をやれ」

この一言で政治家になることが決まった。


選挙活動費は実家である吉田家からの持ち出しで、

約三億円。支援者からのカンパを合わせてである。

じいちゃんが引退宣言を公表する前から秘書をしていたので顔合わせは済んでいてどぶ板でのお祭りと学校、駅前での演説はすましていた。


立って聞いてくれる人は全くいなかったのは焦ったが。


じいちゃんの所属政党は、

日本売国党で略称を日売党といい、とにかく米民主党のしりの穴を舐めるのが大好きな政党だが支那共産党の足を舐めるのも大好きな政党だ。


単独政党に成れるまでに30年掛かっているがここまで育てるのにじいさん達は頑張ったと言っていた。


自分達が勝てるよう選挙方法を変えて勝ちやすい法律を作って、たとえ小選挙区で負けようが比例名簿上位(金の力)でまた議員をできるように変えてやったと言っていっていた。


僕は東大京大どちらかに行け言われていたけどどちらも受からなかったのでアメリカに留学してハーバードなんとかで学位を習得して箔をつけた。


時間と金は掛かったけどこれから何倍にもして資産は増える予定だから気にはしない。


いつかは首相、総理大臣だ。


首相になったら人事で畑をつくるだ。


畑仕事なんてしたことはないけど。


腕がなるな。


何をやればいいのかわからないがまずは人事だ。


駅前の一等地。

選挙カーの屋根に登り、あ、ちょっと怖いな。高いし。


見回したところ、30人くらいいて半数は見知ったおじちゃんおばちゃんで子供の頃から知り合いだ。


僕が演説すると拍手喝采。

うれしいねー。


台本は昔からの選挙参謀吉野さんが添削してくれたものを暗記しておいてそれをスピーカーで吠える。


「子供のために僕はがんばります。税金は消費税を20%に上げて社会福祉を充実します。

地球温暖化には断固反対します。」


自分でも何を言っているのかわからないが聞いている人には耳あたりがいいのでこれでいいそうだ。


日本人がバカで助かったなとじいちゃんはいつも言っている。


選挙で声をからすのはバカだとじいちゃんは言っていた。


だから僕は発声のレッスンを受けていて演説の練習はいつもやっている。


いまでは一日中声を出しつつけていても枯れない。


「吉田太一、吉田太一を男にしてください。必ず皆様の御期待に添えるようにします」

ウグイス嬢の綺麗な声にビックリしながら聴いていたが男にしてくれってなんだよ。生まれてずっと男なんだが。


まあ、いいか。


夜になって、ようやく一息ついて父と母に合うことができた。


「どうだ太一。勝てそうか?」


「うん。手応えはあったよ。党からの応援もあって人が大分集まってきいてくれているからね」


「そうか。お前も晴れて代議士か」

「たっちゃんのこと先生って呼ばないとね」


「あはは、まだわからないよ」


吉野さんからほぼ確実に受かると聞いているから、心は穏やかだ。


こちとら地盤住みの四代目に、ぽっと出が勝てると思ってんのかと対立候補に言いたい。


「何かあれば言ってくれ」


「わかった。ありがとう」


こうして僕は選挙に、当選した。




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