孤独

海星

第1話 きっかけ

当時中学一年生。20年ほど前のこと。

もう多分その頃から世間一般でいう『普通』とはかけ離れていた。


―――――――――。


『真鈴…』

『うん?』

『やっぱりしたい?』

『早くない?まだいいよ。瀀騎は?したい?』

『うーん。わかんない。』

『じゃまだいいんじゃない?』

『…キスは?』

『それくらいなら。』


真鈴は当時付き合っていた人。


毎日、求めた。

学校の裏とか、ずっと会うと抱き寄せてキスしてた。

それこそ、いつ始まってもおかしくないようなそんなキス…。


でもそれ以上はしなかった。

…出来なかった。真鈴がどうのとかじゃなくて、、興味がなかった。



でも1ヶ月程して、真鈴から『別れたい』と言われた。

僕は、『いいよ』と即答した。


でも、それからもなぜか、距離感が変わらなかった。入学してから知り合った。だからそんなに日は深くない。


でも、僕は彼女にのめり込んでいた。


昼休みや、放課後になると毎日求めた。


『もう別れたんだよ?』と聞かれた事もあった。

でも、僕は、『関係ない。』とだけ答えていた。


そして、それが毎日続いた一年後、

いつもの様に2人で帰って、いつもの様に自宅に引っ張りこんだ。


そこで一緒に宿題をして、2人で話してるとやっぱり我慢できなくてベットで抱き寄せてキスした。


その時、一旦止められた。


『ねぇ、やめて。』

『なんで?これ以上はしない。』

『そうじゃない。』

『じゃあなに。嫌なら嫌って言えよ。』

『…したくなるから。』

『…これ以上はしない。』

『怖い?』

『違う。』

『していいんだよ?』


真鈴は強引に僕の手を彼女の胸へ導いた。


『……。』

『したくない?』

『……。』


僕は下を向いて顔を赤くしていた。


『嫌なの?』

『…違う。。その、、ごめん。』

『何?何が嫌なの?』

『…いっちゃった。』

『え?…』


真鈴は驚きつつ笑っていた。


『マジで??そんなことあんの??』

『ごめん…。』

『ねぇ、まさかと思うけどさ、今までずっとキスだけだったのってあれだけで、その、、。』

『うん…そう…。』


『…なんか、可愛いんだけど。』


真鈴は真っ赤になった僕の顔を無理やり上げて微笑んで首にキスした。


『はぁっ……』

『楽しい。もっとしよ。』




――――――――――――――――――。



でも僕らはこの後もヨリを戻すことは無かった。


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