第38話 紅蓮のニードル

美鈴彩が夕暮れの祈りを捧げていると、突如神社の空気が一変し、暗く沈んだ空から紅い光が降り注ぎ始めた。この異変に心を砕かれた彩は、慎重に外を見回し、神社の境内の一角から燃え盛るような赤い光を発する物体に気づいた。


その物体からは熱を帯びた空気が立ち込め、近づくにつれてその温度は増していった。彩がその光の正体を確認しようと近づいたところ、突如、その光は形を変え、一人の戦士の姿を現した。戦士は身に纏う鎧から炎をまとい、その手には紅蓮の色をした長い針が握られていた。


「我が名はインフェルノニードル。紅蓮の火を操る者だ。この地の試練を超えるが良い。」その声は響くようにして彩に挑戦を申し立てた。


彩はすぐさまOSS10に変身し、インフェルノニードルの挑戦を受けた。戦士はその紅蓮の針を使い、高速で動きながら炎の矢を放ってきた。彩はこれを水の壁で防ぎつつ、攻撃のチャンスを窺った。


戦闘が激化する中、彩はインフェルノニードルの攻撃パターンを読み解き、彼の動きに対応するために戦略を練り直した。彼女は大量の水を生成し、それを炎にぶつけることで一時的に彼の動きを遅らせ、反撃の余地を作り出した。


彩は反撃のチャンスを捉え、水流を加速させてインフェルノニードルに向けて放った。強力な水流は彼の炎を消し去り、彼自身も後退を余儀なくされた。最終的に、彩は巨大な水の渦を作り出し、インフェルノニードルをその中心に閉じ込めた。


「お前の力、認めよう。しかし、真の力はまだ見せていない。また会おう。」インフェルノニードルはそう言い残し、炎とともに消え去った。


戦いが終わり、彩は神社に戻り、夕闇に身を任せながらこの戦いから得た教訓を思い返した。彼女は神社の守護者としての自身の力を再確認し、どんな試練も乗り越える覚悟を新たに固めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る