第17話 氷結の使者

冷たい風が神社の境内を吹き抜け、空気がひんやりとした朝、美鈴彩は前夜の戦いの疲れを癒していた。しかし、その静寂は再び破られることとなった。空が暗雲で覆われ、気温が急激に下がり始めた。突如、氷の嵐とともに一人の使者が現れた。


その使者の名は「フリーズスチール」。彼の体は氷と鋼でできており、その眼には冷たい決意が宿っていた。「私はフリーズスチール。ドエトロの命により、お前を永久に凍らせる。」彼の声は凍てつく風とともに響いた。


フリーズスチールは瞬く間に氷の刃を生成し、それを彩に向けて放った。彩はすぐにOSS10へと変身し、戦闘態勢を整えた。彼女は氷の攻撃をかわしながら、水の力を使って反撃を試みたが、フリーズスチールの体は鋼で覆われており、その防御力は非常に高かった。


戦いが激しくなる中、彩はフリーズスチールの攻撃が次第に強力になるのを感じた。彼は鋼の刃を操り、氷の壁を作り出しながら彩に迫ってきた。彩はその攻撃を何とか回避しながらも、彼の力の大きさに苦戦していた。


「冷たく、鋭い。お前を永遠に凍りつかせてやろう。」フリーズスチールが叫び、さらに強力な氷の嵐を彩に向けて放った。


彩は全力で水の壁を作り、氷の嵐を防ぎつつも、相手の防御を突破するための策を練った。彼女は水を凍らせる彼の能力を逆手に取り、水を鋼の体の中に流し込んで内部から凍結させる作戦を思いついた。


彩は大量の水をフリーズスチールの体にかけ、その水が彼の体内で凍りつく瞬間を狙って剣を振るい、鋼の体を内部から破壊した。フリーズスチールの体はたちまち亀裂だらけになり、彼は崩れ落ちた。


「どうして…こんなことが…」フリーズスチールは驚愕とともに消え去った。


戦いが終わり、彩は深く息をつきながら周囲を見渡した。氷の嵐は消え、神社は再び静けさを取り戻したが、彼女の心はまだ安まらなかった。ドエトロの脅威はますます強くなっており、彩は更なる戦いに備えるための決意を新たにした。


「どんな敵が現れようとも、私はこの地を守り続ける。」彩は心に誓い、次の戦いへの準備を始めた。

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