第16話 岩石の貴公子

朝の神社は穏やかな光に包まれていたが、その平和は突如として崩れ去った。地鳴りのような音が響き渡り、神社の境内の一角から巨大な岩が突如として現れた。その岩からは、一人の男性が姿を現した。彼の体は岩そのものでできており、目には不思議な光が宿っていた。


「私はロックハート。ドエトロ軍団から来た者だ。美鈴彩、お前を倒すためにここに来た。」彼の声は低く響き渡り、その場の空気が一層重くなった。


ロックハートはその名の通り、岩石を操る能力を持っていた。彼は手を振るうだけで地面から巨大な岩を呼び出し、それを彩に向けて飛ばし始めた。彩は急いでOSS10へと変身し、戦闘態勢を整えた。


岩の攻撃は非常に力強く、彩はそれを避けるのに精一杯だった。彼女は自身の水の力を使い、岩に衝撃を与えてそれを砕く試みを行ったが、ロックハートは次々と新たな岩を生成し、彩を圧倒し続けた。


戦いが激化する中、彩は岩石の貴公子の弱点を見つける必要があると感じた。彼女は岩に直接水を浸透させ、内部から岩を脆くする戦術を思いついた。彩は大量の水を召喚し、それを精密にロックハートが操る岩に注入した。


一度水が岩に浸透すると、彩は水を凍らせ、岩を内部から破壊する戦略を実行した。一つ一つの岩が砕け散る中、ロックハートは次第に動揺を見せ始めた。


「どうしてだ! 私の岩が…!」ロックハートが怒りに満ちた声で叫んだ。


彩はこの隙を逃さず、最終的な一撃を加えるために、全ての力を剣に集中させた。彼女は剣を振るい、巨大な水の波をロックハートに向けて放った。水の波はロックハートの岩の体を圧倒し、彼を地面に打ち付けた。


ロックハートは敗北を認め、「お前の勝ちだ、美鈴彩。だが、ドエトロの意志はまだ終わらない…」と言い残し、岩とともに消え去った。


戦いが終わり、彩はほっと一息つきながらも、ロックハートの最後の言葉が心に引っかかった。彼女は今後も更なる脅威に備え、神社の平和を守るために更に警戒を強める決意を固めた。彼女の戦いはまだ終わっていなかった。

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