第7話 嵐の心

暗雲が空を覆い尽くし、雷が轟く中、美鈴彩は神社の前で静かに立ち、迫りくる嵐を睨みつけていた。彼女の心は落ち着いていたが、内心では次に何が起こるのかという不安が渦巻いていた。留五郎と特別捜査室の隊員たちは、神社の周囲に防御陣を築き、どんな事態にも備えていた。


突然、異常な風が神社の木々を激しく揺さぶり始めた。風の中には、ほのかに不気味な声が混じっているように彩には聞こえた。「美鈴彩、運命には逆らえない…」その声は彩の心に直接語りかけるようで、彼女はふと、両親が運命に立ち向かったことを思い出した。


彩は深く呼吸をし、青い光の中で変身し、戦士「OSS10」としての姿になった。彼女の目は決意に燃えており、その剣はどんな闇も切り裂く力を秘めていた。


「来い、ドエトロの使い!」彩が叫ぶと、嵐の中心から巨大な影が現れた。その影は人の形をしているが、全身が闇に包まれ、目だけが赤く光っていた。それはドエトロ軍団の新たな刺客、「影の戦士」だった。


影の戦士は高速で彩に襲い掛かり、その動きはほとんど目に見えないほど速かった。彩は必死に剣で応戦し、何度も危機一髪の状況を切り抜けた。戦闘が激化する中、留五郎と隊員たちは彩をサポートしようと、影の戦士に向けて光の弾を放った。


しかし、影の戦士はそれを軽々とかわし、再び彩に圧倒的な速さで攻撃を仕掛けた。彩は海斗から学んだ水の技を使い、周囲の雨水を剣に集中させて一撃を放った。水の剣は影の戦士の闇を一瞬で切り裂き、彼を後退させた。


「この神社は譲れない!」彩が力強く宣言すると、影の戦士は一瞬躊躇いの表情を見せたが、すぐに再び攻撃態勢を整えた。両者の戦いは、雷鳴とともにさらに激しくなり、神社の周囲は激しい光と影の戦いで揺れ動いた。


最終的に、彩は全ての力を剣に込め、最後の一撃を影の戦士に向けて放った。巨大な水の渦が影を飲み込み、強烈な光が周囲を照らした。その光が消えたとき、影の戦士は倒れていた。


嵐が静まり、空は再び明るくなり始めた。彩は疲労と達成感で一杯だったが、彼女は知っていた―この戦いが終わりではなく、ドエトロ軍団との長い戦いの始まりに過ぎないことを。しかし今、彼女はその戦いに向けて一歩前進したのだった。

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