第5話 闇からの使者
夜がまた深まり、神社の境内は月明かりだけが静かに照らしていた。美鈴彩は、海斗から受け継いだ新たな知識をもとに、さらなる修行に励んでいた。彼女の剣の軌道は以前よりも鋭く、水を操る力はより流れるように自然になっていた。
そのとき、突如として神社の境界を揺るがすような強い力が感じられた。彩はすぐに反応し、賽銭箱に10円を投じて変身した。青い光が閃いて、彼女は再び戦士「OSS10」となった。
「誰だ、この神聖な場所に侵入する者は!」彩が大声で問いかけた。
影のような形をした何者かが、神社の最も暗い部分からゆっくりと現れた。その存在は人間の形をしているが、その周りからは明らかに異常な闇のオーラが放たれていた。
「私はドエトロ軍団から来た。美鈴彩、お前の両親を倒したのは我々だ。そして今、その娘もまた同じ運命を辿ることになるだろう。」闇からの使者が冷たく言い放った。
彩は怒りを胸に秘めながらも冷静さを保ち、対峙した。「私は過去の悲しみに囚われない。私の使命はこの地を守ること。お前たちのような闇の力には屈しない!」
使者は笑うと、突如攻撃を開始した。闇の波が彩に襲いかかるが、彩は海斗から学んだ新しい技でそれをかわし、水の壁を作り出して反撃した。戦いは激しく、神社の境内には水と闇が渦を巻いていた。
「どうやらお前はただの継承者以上のものだな。しかし、我々の計画を阻止することはできない!」使者はさらに強力な闇の力を彩に向けて放った。
この絶望的な状況の中、彩は海斗から教わった最後の術を使うことを決意した。彼女は深く呼吸をし、全ての力を剣に集中させた。そして、力の全てを解放し、一閃の光とともに使者の闇を断ち切った。
闇は消え、使者は後退した。「この戦いは終わりではない。ドエトロはすでに次なる計画を進行中だ。覚悟しろ、美鈴彩。」使者はそう言い残し、闇の中へと消えていった。
彩は静かに剣を納めた。彼女は知っていた。これが終わりではなく、始まりに過ぎないことを。しかし今は、少しでもこの勝利を噛みしめる時間が必要だった。神社の静けさが戻り、彩は再び祖父の墓前で手を合わせ、これからの戦いへの覚悟を新たにした。
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