毎日

@sock-4723

  

どうして気づけなかったんだろう

葉に打ち付ける雨粒の音

どうして気づけなかったんだろう

下の階の住人の美しい鼻歌


なにかに引っ張られて、連れて行かれて、

今僕はどこにいるの?

いつなんだろう、

がんじがらめにされた手足を動かすのは


どうして気づかなかったんだろう

降りるふりして席を譲るあの人

どうして気づかなかったんだろう

道のごみをそっとポケットに入れるあの人


なにかについて行って、あとにならって、

今日の僕は何を生み出した?

大きなことはできないけれど

見つけられる、小さな幸せ


今日も失敗ばかりだね、

落ち込んで風呂の中

今日もたくさん怒られたね、

眠れない布団の中


目覚ましの音、よりも、小鳥が囀る音に

涙の味、よりも、焼きたてのパンの甘さに


それだけで、がんばれるなら


そんなに心も強くないけど


さぁ、今日も始めよう



















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

毎日 @sock-4723

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ