第47話 寒い!

 今日はかなり温度が低い。日中でも10℃以下だ。

 おれは出かけていたが家に帰って来た。ハムスター達は全員そろっている。お金がなくなったのでみんな毛を売るため、毛を刈ったらしい。



 おれは自分の部屋へ行ったが……

「部屋の温度暑すぎるよ!26℃なんて高すぎるよ!」

「毛を刈ったから寒いッチ!」

「しょうがないぞ!」

 その時だった。エアコンが変な音を出して壊れた!

「何回リモコン押しても反応しないんじゃ!」

「これは困ったんよ……」

 どうするんだ……これ……




 おれはさっそく家電屋さんに連絡したが修理に来てくれるのは来週になるらしい……

 おれ達はリビングへ向かったが、

「ユーキとハムスターちゃん達!リビングのエアコンも壊れているのよ!」

 母さんの言葉におれ達は絶望した。

「みんな!何で今日毛を刈っちゃったんだよ!」

「お金のためっす。仕方ないっす」

 うーん、それならば仕方ないか?

 なんとか寒さを乗り切れないと……



 とりあえず家にあったカイロで暖をとる。

「みんなどう?」

「持っている手はあったかいッチが……体全体は寒いッチ……」

「これだけだときついんよ……」

 うーんどうしたものか……



 次は加湿器を使ってみる。

「うーん、うるおいは感じるっすが……これだけでは寒いっす」

「あんまり変わらないぞ……」

 家にある物じゃダメだな……そうだ!




「みんな運動して体をあっためよう!」

 おれの提案にハムスター達は

「外出たくないんじゃ!」

「外寒いんよ……」

 あまり乗る気じゃないようだ。

「じゃあ家で運動しよう!」

「そうっすか?ならみんなやってみるっす!」

 みんな嫌がりながらも動き出した!運動する気になったようだ。




 運動とは、家の階段を使った踏み台昇降だ。

「こんな事であったかくなるっすか!?」

「まあやってみるぞ!」

「はい!みんなスタートするよ!二十分くらいやるよ!」

 ハムスター達は踏み台昇降を始めた。




 五分経った。

「全然あったかくならないッチ!」

「これで大丈夫なん?あんまり体があったまらないんよ」

「みんな!まだまだだよ!頑張って!」



 十分経った。

「そろそろしんどくなって来たっすね……」

「俺はまだイケるぞ!」

「僕もじゃ!」



 十五分経った。

「あれ?だんだんあったまって来たけん!」

「私もッチ!」

 運動の効果が出てきたようだ!

「みんな!あと五分だよ!」

「やるっすよみんな!」

「みんなでやり切るんじゃ!」

 みんな一丸となってる!




 そして二十分経った!

「はあはあ、あったまったッチ!」

「やったんよ〜!」

「良かった!これで寒さ乗り切れるね!」

 しかし……しばらく経つと……

「ユーキまた寒くなったぞ!」

「運動では冬を乗り切れないんじゃ!」

「え!どうしたらいいんだ……」

 そんな困った時だった。




「ただいま〜家の中なのにずいぶん寒いわね」

「ただいまちゃ!寒いちゃ!」

 ねここと一休が帰って来た!二人に事情を説明する。

「エアコン壊れちゃったの!?それは困ったわね……」

 ねここは困惑しているが、一休はあんまり困ってないようだ。

「おれっちは小さくなってウッドチップの中にくるまるっちゃ!そうしたら寒さ防げるちゃ!」

 ウッドチップってなんだ?母さんが説明してくれた。

「よくケージの中に入れる、木を細かくしたものよ。一休ちゃんはそれにくるまって寝ているのよ」

 ああ、あれか、……そうだ!

「ハムスターのみんなも小さくなってウッドチップにくるまればいいんじゃないか!」

「いいっすね!その発想はなかったっす!」

「やってみるんじゃ!」

 おれはすぐにホームセンターに向かってウッドチップを買いに行った!



 おれは買ってきたウッドチップをケージの中に敷き詰めた。

 そしてハムスター達を入れた!ハムスター達はすぐにウッドチップにくるまった。

「結構あったかいっすね!」

「これでエアコンが直るまでこれでいいんじゃ!」

 ハムスター達は気に入ったようだ!

「私はどうしたらいいの……」

「ねここは毛布で乗り切ってよ!」

「そうね……ネコの姿になって毛布にくるまるわ……」

 さすがにねここはウッドチップでは暖が取れない。

 ハムスター達はケージの中で過ごしていたが……




 三日が経った時だった。ハムスター達の毛は伸びていた。

「ユーキ!おいら達は毛を刈りに行くっす!」

「え!でもまだエアコン直ってないよ!刈ったら寒いんじゃないの!?」

「お金のためッチ。しょうがないッチ。ハムケンにいつまでもお金借りてはいけないッチ」

 確かにそうだが……

「とにかく!俺達は毛を刈らないといけないぞ!どんなに止めても行くぞ!」

 おれはハムスター達を見送るしかなかった……



 ハムスター達は毛を刈って帰ってくると、すぐにケージの中に入った。

 本人達がそれでいいならいいかな……

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