第44話 謎の存在!探偵少女F

 今日はハムスター達が全員揃っている。

 コタローは実況部屋で動画を撮っているようだが……

「誰かおいらのプリン食べたっすか!?」

 コタローが急に入って来た!

「俺は食べてないぞ!」

「ワシもやけん!」

「僕もじゃ!」

「私もッチ!」

「じゃあ、ユーキが食べたっすか!?」

「いや、おれも食べてないよ!」

 みんなが否定した!コタローはかなり怒っている……

「みんな嘘ついているっすか!?名乗り出てくれっす!」

「嘘なんてついてないぞ!」

「自分で食べたのを忘れているだけじゃないかじゃ!」

「なんなんっすか!」

「なんで仲間を疑うッチ!」

 揉めてケンカになってしまった……どうしたらいいんだ……

「そうだ!ハムケン!プリン買って来てよ!」

「ワシも最近みんなにお金貸しているから、これ以上出したくないんよ……」

「ハムケンも大変だな……」

「こうなったら探偵を呼んで推理してもらうっす!」

 コタローの言葉にみんな驚いた!

「コタロー!そんな事するより新しいプリン買った方がいいよ!」

「新人探偵だから安く呼べるっす!ちなみに動画も撮るっす。」

 そこはしっかりしているんだな……




 三十分も経たずに探偵はやって来た!

「初めまして、探偵のふえぐり、たまよです。犯人を見つけます。巷では探偵少女Fと呼ばれています。」

 探偵さんはずいぶん若い女の子だ。少しおれに似てるかも……

 探偵っぽい服を着ている。

「ふえぐりさん何歳?」

「たまよでいいですよ。13歳中1です。」

「たまよさん中学生なの!?それで探偵やっているんだ!」

「たまよちゃんでいいんですよ。父も祖父も探偵やってたので、私もやりたくなりました。」

コタローはさっそくカメラで撮っている。

「あいさつはそこまでにして推理始めてくれっす!」

「分かりました。推理しましょう。」



「なるほど……プリンを食べた犯人を探して欲しいのですね。」

「そうっす!」

「ちなみにこの場にいない人が犯人の可能性はありますか?」

「ねここも一休もバイトでいないし、母さんと父さんも出ているから、その可能性はないかな。」

「なるほど……ちなみにこの中にアリバイがある人はいませんか?」

「みんなトイレとかジュース飲んだりするために部屋を出ているからアリバイはみんなないよ。」

 たまよちゃんは少し考えたあと

「そうですか……ならみなさん、調べさせてください。」

と言った。

「でも調べるってどうするの?」

「探偵の道具を使ってお腹の中を調べます。」

「え!そんな道具あるの!?」

「すごい技術やね〜!」

「そんな道具あるなら欲しいっす!」

 みんな驚いている!とにかく調べてもらう事にした!




 その道具の見た目は聴診器のようだ。

「今からこの『腹見え』でお腹の中を見ていきます。」

「さっそく調査してくれっす!」

「まずはハムタクさんからいきますよ。」

 たまよちゃんはハムタクのお腹に「腹見え」を当てていく。

「うーん、そうですね……」

「なんか冷たいんじゃ!」

 ハムタクは嫌がる事もなく当てられていく。そして……

「なるほど……では次はハムニブさんですね。」

 ハムスター達は次々と調査されていく。コタロー以外のハムスター達の調査が終わったようだ。

「ユーキさんも調べさせてください」

「え!おれ食べてないよ!」

「ユーキも調べた方がいいっすよ!」

「コタローさんも調べますよ」

「マジっすか……」

 そして全員の調査が終わった。




「これから推理します。ちょっと失礼しますよ」

 たまよちゃんは急に仰向けに寝た!

「なんで横になるの!?」

「私は推理する時こうしないと上手くいかないんです。待っていてください」

 たまよちゃんの行動にハムスター達は驚きつつも……

「じゃあおいらはさっそく撮った動画を編集するっす!」

「俺は体幹トレーニングでもするぞ!」

 それぞれ好きな事をやりだした!おれも漫画でも読もう……

 そして十分くらい経った時だった!

「犯人が分かりました!」

 たまよちゃんは今までにない大きな声で言った!

 おれ達は集まって推理を聞く!




「犯人はハムニブさんとハムタクさん、ハムッチさんとハムケンさんです!」

 たまよちゃんは腕を伸ばして指をビシっとさせて犯人達を指名した!

「なんでそう思うッチか!?」

「四人のお腹の中にはプリンがありました。おそらく近くのケーキ屋さんの四個入りのプリンだと思われます」

 すごい推理にコタローはハッとする!

「そうっす!確かにおいらケーキ屋さんで買ったんっすよ!」

 この言葉に犯人達は驚いた!

「あれ?お母さんが買って来てくれたものではないのか?ぞ!」

「僕もそうじゃないかと思って食べたんじゃ!」

「私もッチ!」

 たまよちゃんは勝ち誇った顔をして

「これで解決ですね!」

 と言った。

「ありがとうっす!たまよちゃん!これ報酬の5000円っす!」

 安!5000円ぽっちでわざわざ来てくれたのか!?

「ありがとうございます。何かあればまた読んでください」

 たまよちゃんは帰ろうとするが……ハムケンが呼び止めた。

「たまよちゃん!ワシが奢るけん!いっしょにプリン食べにいかん?」

「いいんですか!?プリン大好きなんです!」

 たまよちゃんはまた大きな声出しながら頷いた。

「今回ばかりはワシも犯人やし、しょうがないんよ〜みんなにも奢るけん!」




 その後おれ達はハムケンの奢りでプリンを食べに行った。

 探偵といっても中学生なんだな……たまよちゃんは満面の笑みで食べている。プリンを食べるとハムケンにお礼を言って去って行った。

ちなみにコタローが今回の事を動画にしてアップすると、かなり再生されたらしい。

 ちゃっかりしてるな……

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