第39話 警備員!宇宙怪人ハムスター!

 おれとハムケン以外のハムスター達は父さんに呼び出された。

 嫌な予感がする……

「ユーキ!ハムスター達と警備員の仕事をしなさい!」

 父さんの言葉におれ達は動揺する。

「父さん!おれ達のやりたい仕事をやらせてくれよ!」

「そうッチ!」

「そうなんじゃ!」

 おれ達は抗議したが……

「とにかく面接行きなさい!人手が足りなくて困っているみたいだ!一月でいいから働きなさい!」

 おれ達に拒否権はないようだ……渋々行く事にした。




 面接に行くとその場で採用が決まった。警備員をするためには研修を受けなければいけないようだ。

「講義を受けないといかないっすか……だるいっすね…」

「早く働かさせろッチ!」

「みんな!真面目に受けるんだよ!」

 おれはハムスター達をなだめながら講義を受けた。

 それぞれ実技の研修も終えて、実際の現場で実地教育をする事になった。

 おれ達はそれも乗り越えて実際に仕事をする事になった。



 おれとハムニブは道路工事の交通誘導の仕事を任された!ジョンさんって人に教えてもらうみたいだが……しかしどこかで聞いた事がある名前だが……

 とりあえずジョンさんに挨拶した。

「げ!宇宙怪人ハムスターとその飼い主じゃないか!?」

 ジョンさんは予想外の反応をした!

「あれ?会った事あります?」

「おれは宇宙怪人犬のジョンだよ!」

「ぞ!桜子の家で戦ったジョンなんかぞ!」

「人間化していたから気づかないか……ほら!」

 ジョンは頭の帽子を取った!すると犬の耳がついてた!

「え!ええーーー!!!」



 とにかくジョンは警備員の先輩だ!仕事を教えてもらわないと……

「ユーキ!おれが指示したらそっちの車を通せよ!」

「はい!わかりました!」

 今回の現場は片側一車線の道路だ。片側の道路は工事で通れないので、片方ずつ車を通していく。

「ユーキ!あの青い車でそっち止めろ!」

「了解!」

 ジョンが指示を出してくれるのでその通りに仕事していく。

 ちょっと手間取った時には

「おい!ハムスターの飼い主!しっかりしろ!」

 とトラックの運転手に怒られてしまった……

 しかしおれが宇宙怪人ハムスターの飼い主だって、みんな知っているんだな…

「ハムニブ!そっち通すよ!」

「了解ぞ!」

 ジョンの指示にハムニブは従う。ハムニブはおれより誘導が上手い。この仕事向いて居るんじゃね?

 ジョンに教えてもらいながら、今日の仕事が終わった!

 他のハムスター達は仕事をできているだろうか?



 おれとハムニブは家に帰った。他のハムスター達も帰っているようだ。

「ユーキ!おいらはイベントの警備だったっすけど、楽しかったっす!」

「そうなの?でも立ちっぱなしでキツくなかった?」

「みんな楽しそうでこっちまで楽しくなったっす!立ちっぱなしも気にならなかったっす!」

 コタローは警備の仕事は向いているようだ。

 ハムタクはどうだ。

「ユーキ!僕も交通誘導だったけどじゃ、なんとか一月いけそうじゃ!」

「そうか!一月だけだから頑張ろう!」

 ハムタクは一月乗り越えられそうだ!

 ハムッチはというと……

「ユーキ!私この仕事向いてないッチ……」

「なんでそう思うの?」

「施設の警備だったッチが、何も起きなくて暇だったッチ!」

「それは始めたてだったからじゃないの?慣れてきたら仕事も任せるよ!」

「そうッチかね……ハムケン!暇でも楽しく仕事できる物ないッチか?」

「ほーならハムビタンZを飲むといいけん!ハイになって時間がすぐ過ぎるけん!ちょっと値上がりして1900円なんよ〜」

「ツケとくれッチ!」

 ハムッチはハムビタンZを五本ほど買った。五本で一月乗り越えられればいいんだが……



 そうだ!ジョンの事を桜子に伝えとかないと……

 桜子はおれの友人でジョンの飼い主でもある。おれは電話をかけた。

「ユーキ君どうしたの?」

 おれは事情を説明した。

「そうなんだ……私達はまたジョンを飼いたいな♪ジョンに帰ってくるように言ってくれる?」

「わかった次会った時に言ってみるよ!」

 おれは電話を切った。

 ジョンが今どこに住んでいるかは聞いてないな……聞いてみるか!



 次の日の現場ではジョンと同じ現場ではなかった。ジョンと同じになったのは一週間後の現場だった。

 その現場の休憩時間にいろいろ聞いてみた。

ちなみに敬語は使わなくてもいいと、ジョンに言われたため使わない。決して舐めているわけではない!

「ジョン!今どこに住んでいるの?」

「会社の寮だ!」

「どうして警備の仕事を?」

「腹が減って死にかけた時に、人間化して働こうと思ってな。雇ってくれたのが警備会社なんだ。」

 そうなのか……じゃあ桜子の家には戻らないかもな……

 一応桜子がまだ飼いたいみたいだと伝えてみた。すると……

「マジで!飼ってくれるなら、働かなくていいじゃん!俺も飼って欲しいよ!」

「そ、そうか……」

 まさかの返答におれは驚いた!さっそく桜子に電話する。

「なるほど♪じゃあ迎えに行くよ!」

 ジョンは速攻で警備の仕事を辞めて桜子の家で飼ってもらう事になった。

 せっかく仕事覚えたのにそれでいいのか!?



 ちなみにハムスター達は警備の仕事を一月をなんとかやり切った!

 ハムニブは自分に向いていると思ったのか、これからもたまに警備の仕事に行くらしい。

 コタローはイベントの仕事はノリノリだったが他の仕事は嫌らしくもう行かないらしい。

 ハムタクは交通誘導の仕事なら行くかもしれないと言っていた。

 ハムッチは20本くらいハムビタンZを飲んで仕事を乗り切った。

 ハムッチはハムケンにツケたお金払えるのか?

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