第37話 ハムケン三兄弟!

「ユーキ!大変じゃ!」

 珍しくハムタクが大変だと言ってきた!

「どうしたの?」

「新しい宇宙怪人ハムスターがやってくるんじゃ!」

「ま、マジで……どんな人なの?」

「ハムケンのお兄さんと弟さんなんじゃ!」

 ハムケンに兄弟がいたのか!?

「それでいつくるの?」

「もうすぐくるんじゃ!」

 いきなりだな……

「とにかく迎えに行こう!」

「ユーキ!迎えに行く前にちょっといいじゃ?」

「なに?どうしたの?」

「ハムケンのお兄さんと弟さんはクズで有名なんじゃ……うちで飼わない方がいいかもしれないんじゃ!」

「そうなの!?気をつけるよ…」



 今はハムケンがバイトでいないので、ハムタクと迎え行った。

 近所の山にきてるらしいが……

「ユーキ、あの宇宙船じゃ!」

 ハムタクが指差した先には二人乗りの小さな宇宙船があった。

 ハムスターの二人はもう外に出ていた。

「ワシがハムケンの兄ハムノヨなのよ!ユーキの事はハムケンから聞いているのよ。よろしくのよ〜」

 ハムノヨは赤のスカーフを身に着けている。

「ワシが弟!ハムネンやねん!よろしくねん!」

 ハムネンは黄色のスカーフを身に着けている。

「よろしく……」

 今のところクズっぽくはないが……

「ワシらもユーキの家で飼ってほしいのよ!どうのよ?」

 やっぱりそうきたか!しかし今は……

「うーんおれの家は宇宙怪人いっぱい飼ってるからな……飼うのは難しいかも……」

「ワシら今日泊まる宿もないねん。しばらく泊めてやねん」

「一時的に飼うのはいいかも……」

 という事でしばらくお試しで飼う事にした。しかし今はクズかどうかはわからないから様子を見ないと……




 しばらくしてハムケンが帰ってきた!

「兄ちゃん、ハムネン久しぶりに会えて嬉しいけん!お小遣いあげちゃうんよ〜」

 え!お小遣いをあげちゃう!?

「嬉しいのよ!これでお菓子買ってくるのよ!」

「兄ちゃんコンビニ行くねん!」

 と言って二人は出て行った。

「ハムケン!自分で稼いだお金なのにあげちゃっていいの?」

「兄弟やからね。それに多分二人も働くと思うけん!いつか返してくれるよ〜」

「ハムケンがいいならいいけど……」

 しかしずっとこの状況ではいけない……二人はあの仕事をやらせるか……




 おれとハムタクはハムノヨとハムネンを連れて、いつもの資材搬入の仕事にきている。

 石膏ボードを決められたところに運ぶ仕事だ。

「結構重いのよ!」

「しんどいねん!」

 二人は文句を言いながらも働いている。

「一枚ずつ運んでいたらダメじゃ!二枚、三枚と運ばないといけないんじゃ!」

 ハムタクの注意にも

「わかったのよ!」

「やってみるねん!」

 ちゃんと言うこと聞いているようだ。

 この二人思ってたよりクズじゃないんじゃないか?

 しかしお昼休みに事件が起こる。




 二人は昼メシを買ってくると言って出て行ったまま帰ってこない……

「ユーキ!探してこい!」

「わかりました!」

 おれとハムタクは職人さんに許可を取って探しに行った!

 すると近くのコンビニの前に居た!

「二人とも何してるの!?もうお昼休み終わりだよ!?」

「ワシこの仕事向いてないのよ」

「ワシもやねん」

「二人とも何言ってるんじゃ!一日くらい頑張るんじゃ!」

 ハムタクの言う通りだ!しかし二人は……

「もう嫌なのよ、もう家帰りたいのよ」

「ワシも!嫌やねん!」

 二人は意地でも、もう仕事をしないみたいだ……

「ハムタク!どうする?」

「二人とも職人さんに謝るんじゃ!後の仕事は僕達がやるからなじゃ!」

 二人は職人さんに謝りに行った……そして半日分の給料を貰った。

 しかし残りの仕事を二人でやるのはしんどかった……

 次の日おれとハムタクは仕事には行かなかった。




 ハムノヨとハムネンはしばらく経っても働かない……

 それだけならまだいいのだが、ハムケンにお小遣いを貰っているのが気になる。

 いくらハムケンがいいとしても……

 その事を父さんに相談してみる。すると父さんは

「うーむ、ハムノヨとハムネンは飼うのをやめた方がいいな!」

 と言った!それをハムケンに伝えると……

「ほーなん……でも二人をうちから追い出しちゃったら、ホームレスになっちゃうけん!ユーキ!二人を飼ってくれる家ないん?」

 そんな家あるかな?いや!ある!




 おれとハムケン三兄弟は角ちゃんの家に来ていた。

 角ちゃんは中学の時の友達だ。そしてお金持ちでもある。

 ピンポンを押すと角ちゃんが出て来た。

「お!ハムスター達久しぶりに見たな!まあ中入ってよ!」

 おれ達はリビングに通された。早速本題に入る。

「角ちゃんにハムノヨとハムネンを飼って欲しいんだよ……どうかな?」

「そうだな……カメレオンと喧嘩しないのならいいよ!」

 角ちゃんは宇宙怪人カメレオンをまだ飼っている。

 その時!

「まあ私を触らなければいいが!」

 宇宙怪人カメレオンがしゃべった!

「わかったのよ!」

「ルールは守るねん!」

「ならいいな!ハムノヨ!ハムネン!よろしくな!」

 角ちゃんの言葉に、ハムケン三兄弟は喜んだ!

 後から聞いた話しによると、二人は一月30000円のお小遣いを貰えるようになったらしい……

正直羨ましい……

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