第4話 宇宙怪人ハムスター働く
おれは、宇宙怪人ハムスター達と自分の部屋でゆったりしていた。それぞれに漫画を読んだり動画を見ていたりする。
ゆったりするのは、良いんだけど人間サイズで過ごしているから狭いんだよ、何とかならんものか……
ハムケンが近づいてきた。
「ユーキ電話貸して」
「ああいいよ」
ハムケンにスマホを渡した。桜子にでも電話するのだろうか?
「ユーキおやつ出すんだぞ!」
「おやつ食べたいッチ!」
「これ一袋で我慢するんだよ」
おれはポテチ一袋渡した。
「これじゃ足りないっす」
「いっぱい食いたいんじゃ!」
こいつらの食欲はヤバすぎる。まだ、貯金があるからいいが、そろそろおれも仕事探さないとな……
おれは今は仕事してない。といっても三か月ぐらいだが。
そうこうしていると、ハムケンが戻ってきた。
「ユーキ、ワイ働くんよ」
「えっ」
言葉が出てこない……宇宙怪人が働けるのか?
「コンビニのバイトに応募したんよ」
「ちゃんと自分は宇宙怪人ですって話したか?」
「話したんよ。面接してくれるってゆうてくれたけん、明日面接行くんよ」
「そうか……」
おれはハムスター達を人間サイズで外に出した事がない……近所の人に受け入れられるだろうか?
「ちょっと父さんと母さんに相談してくるよ。」
相談したらあっさり
「良いんじゃないか」
「良いじゃない」
という答えが返ってきた。
おれはハムケンを面接に行かすことにした。
次の日ハムケンは面接に行った。その場で採用が決まったらしい。
「明日からバイト出るんよ。頑張るんよ」
おれは明日、様子を見に行く事にした。
初日、ハムケンは遅刻せずにバイトへ行った。おれはそれを見てバイト先のコンビニへ向かった。
ハムケンはレジに居た、隣には教育係の人が居る。
早速お客さんがきたようだ。若い女性のようだ。女性は何も言わずにレジに商品を置いた。
「あんぱんが一点カフェオレが一点……」
ハムケンはマニュアルどうりに接客をしている。
「全部で350円になります」
「電子マネーで」
女性はそう言って電子マネーで会計を済ませた。
「ありがとうございましたー」
ハムケンは始めてのお客さんの接客を終えた。しかし女性のお客さんは宇宙怪人のハムケンについては、何も言わなかったな……日本語がしゃべれれば、特に気にしないのだろうか?
次は小さい子ども連れのお客さんがきた!子どもはどうだ!
お母さんは驚く事もなくレジに商品を置く。ハムケンは普通に仕事をこなしていく。
「店員さん着ぐるみなの?」
子どもが質問した!どう切り返すのか?
「宇宙怪人なんよ」
「そうなんだー」
そうなんだー、じゃねえよ。宇宙怪人に疑問思わないのか!おれは気になるぞ!おれがおかしいのか!?
子ども連れのお客さんはそれ以外何も聞かずに去っていった。
その後もハムケンは普通に仕事をこなしていった。お客さんにたまに質問されても軽くいなしている。二時間ほど見ていたが問題無さそうなので帰る事にした。
他のハムスター達も働けるんじゃないか?おれは残り四人のハムスター達も働かす事にした。
「コタロー、ハムニブ、ハムタク、ハムッチ、お前達もハムケンの様に働け!」
「働くの辛そうっす……」
コタローは自信なさげに言った。
「俺らになんの仕事が出来るんぞ……」
ハムニブは冷静にそう言った。おれはさらに続ける
「まずは、日雇いの仕事から始めよう!ハムスターの大きさで犬やネコと戦えるお前らなら出来るよ!」
「ユーキも働いてないんじゃないかじゃ!」
ハムタクは怒ったような口調で言った。
「働きたくないッチ」
ハムッチはダルそうに言った。
「おれも働くからとりあえずやってみよう!それにお金があれば欲しい物買えるようになるよ」
おれの言葉にハムスター達はざわつく。
「ハムプチズのCD欲しいっす!」
ハムプチズはコタローが好きなアイドルだ。
「料理道具買えるかなじゃ」
ハムタクは料理が好きでよく作ってくれる。
「野球のユニフォーム買えるぞ!」
ハムニブは野球が好きだ。
「ゲームの新作買えるッチ」
ハムッチはゲームが好きだ。
説得は成功したようだ。
おれはすぐに派遣会社に電話した。事情を説明したら、宇宙怪人でも受け入れてくれるようだ。次の日に面接になった。
面接では、肉体労働でも何でもします!と伝えたらその場で採用になった。コタローとハムニブとハムタクは資材運搬の仕事をする事になった。ハムッチは工場で働く事になった。
資材運搬の朝は早い。おれはコタロー達を連れて現場に向かっていた。
「いくらもらえるっすかね〜」
「仕事楽しみじゃ!」
ハムスター達と話しているとすぐに着いた。
「お、ここだ」
建築現場に着いたようだ。おれはハムスター達と職人さん達にあいさつした。そして仕事の説明を受けた。石膏ボードを職人さんが使うところに、トラックの荷台から運ぶ仕事だ。
おれはこの仕事やった事がある。ハムスター達に背負って運ぶんだよって教えてやった。
「こんな感じかなぞ」
ハムスター達は次々とボードを運んでいく。これが結構うまい。始めは二枚づつだったが、しばらくすると四枚づつ運んでいる。
「ハムスターのみんなやるじゃないか!」
職人さんに褒められた。ハムスター達はうれしそうだ。おれも頑張って運ぶぞ!
仕事を始めてしばらくすると休み時間になった。職人さんが話しかけてきた
「宇宙怪人って見た目動物なのに働けるんやなー」
職人さん疑問にも
「怪人なんで人なんっすよ。やろうと思えば働けると思うっす」
自分の言葉で答えた。仕事だけじゃなくコミニケーションも問題ないようだ。
ハムスター達は一日の仕事を問題なく終えた。今日の日当をおれ達は貰った。
「疲れたぞー」
「お金もらえてうれしいっす」
「何お買おうかのじゃ」
ハムスター達はその調子で一週間仕事を続けた、ハムスター達は仕事を続けられそうだ。おれは日雇いではなく安定した仕事を見つけるため明日からは行かない事にした。
そして次の日がきた。ハムスター達は仕事に行っている時間に起きた。しかし起きてみるとハムスター達がいた。
「ユーキおはようっす」
「え!コタロー仕事は?」
「思ったより体きついから行かないっす」
せっかく一週間頑張ったのに……
「ハムタクも行かないの?」
「僕はこんだけお金もらえたらしばらく大丈夫なんじゃ」
そらしばらくは大丈夫だろうが、無くなったら困るよ……
「ハムニブは?」
「俺は野球に関わる仕事したいぞ!」
そんな仕事なかなか無いよ……
その時ハムッチが出かけようとしていた。
「ハムッチは仕事行くの?」
「ゲーセン行くッチ、仕事はもう辞めたッチ!」
「え、えぇーーー!!!」
結局ハムケン以外の四人は仕事辞めてしまった。四人が続く仕事なんてあるのかなぁ。
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