第2話 宇宙怪人ハムスターの暮らし
「おい!おまえら食い過ぎだ!」
おれは、宇宙怪人ハムスター達と暮らし始めた……
しかしこいつらがよく食う。食欲が人間と同じ、いやそれ以上だ。
「冷蔵庫にある物少し食べたくらいっす」
っすという語尾のこいつは赤のネクタイをつけている。前の戦いでは、赤ハムと呼んでいた宇宙怪人ハムスターだ……
どうやらこいつはハムコタローという名前らしい。おれはコタローと呼ぶことにした。
「俺もそんなに食べてないぞ!」
自称が俺のこいつは、黄色のマフラーをしている。黄ハムと呼んでいた宇宙怪人ハムスターだ。
こいつはハムニブという名前らしい。こいつはそのままハムニブと呼ぶ事にした。
「僕もあまり食べていないんじゃ!」
語尾がじゃのこいつは、青の蝶ネクタイをしている。前の戦いで活躍した青ハムだ。こいつはハムタクという名前らしい。こいつもそのままハムタクと呼ぶ事にした。
「ワシもあんまり食べてないんよ」
少しなまっているこいつは、緑のスカーフをしている。前の戦いでおれを背中に乗せてくれた宇宙怪人ハムスターだ。こいつはハムケンという名前らしい。おれはそのままハムケンと呼ぶ事にした。
「私もあんまり食べていないッチ」
語尾がッチのこいつはピンクの帽子をかぶっている。こいつはピンクハムと呼んでいた宇宙怪人ハムスターだ。名前はハムッチという名前らしい。おれはそのままハムッチと呼ぶ事にした。
宇宙怪人ハムスター達は人間サイズなって飯を食べている。人間サイズの方が過ごしやすいらしい。
人間サイズになるのはいいとしても、冷蔵庫を開けて好き勝手食べるのはやめてほしい。何度言ってもやめない。
おれは元々父さんと母さんとの三人暮らしだったが、その時と比べると何倍もの食費がかかっている……追い出す訳にもいかず困っている。
ちなみに宇宙怪人とは、宇宙を旅する旅人らしい。なぜ地球に来たかというと他の宇宙怪人に追われて逃げてきたんだと、宇宙怪人にはいろいろな種族があってそれぞれが敵視しあっているんだとか、前の戦いで人間サイズからハムスターサイズになったのは、怪電波を宇宙怪人ネコが放っていたので小さくなったのだとか。おれまで小さくなったのが何故だかはわからないんだとか、なんでわからないんだよ。
「ユーキ、もう冷蔵庫の中なにもないっす」
コタローは冷蔵庫を舐めるように見て言った。
「マジで!今日はもう買ってこないぞ!」
おれは大きい声を出して言った。何度も言うが食い過ぎなんだよ。
「ユーキハラヘッタぞ!」
「まだたりないんじゃ」
「まだまだ食えるんよ」
「お腹減ったッチ」
ハムスター達はまだ食いたいようだ。
「仕方ない母さんに買ってきてもらうか……」
「「「「「やったー」」」」」」
ハムスター達は喜んでいる。
おれがスマホを取り出すと、ちょうど電話がかかってきた。母さんからじゃないようだ。
「あれ桜子だ、どうしたんだろ?」
桜子はおれの友達の女の子だ。
おれは電話に出る事にした。
「もしもしどうしたの」
「あ、ユーキ君実は私、犬を飼い始めたの。家の前に捨てられていたところを拾ったんだ〜」
家の前に犬が捨てられていた?嫌な予感がする……
「そうなんだ〜おれも家の前にハムスターが捨てられていてさ、飼う事にしたんだよ」
「いっしょだね。じゃあ久しぶりにうちに遊びにこない?」
「おお……行くよ」
本当は行きたくないが、犬が宇宙怪人だったら桜子が危険に晒されるかもしれない。だから、明日、桜子の家に行くことになった。
「ユーキ君じゃあ明日ね」
「おう、じゃあ」
電話を切った。切ったところでハムニブが話しかけてきた。
「ユーキ今の電話の犬の話しもしかして……」
「ああおれも嫌な予感がしている。」
「おいら達も連れて行くっす」
おれはコタローの提案を受ける事にした。
明日になって欲しくないと思うのは久しぶりだ……
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