第7話 冒険者会議議事録①

【第六十回 ヘルガート冒険者会議 議事録】


冒険者1

⇒最近は冒険者の流入によりトラブルが増えていると聞く。何か困った事例は起きていないか?


冒険者2

⇒古株冒険者が新参者に干渉するケースが増えている。自分の縄張りを荒らされたくないのだろうが、最近は目に余る行動も散見される。


冒険者3

⇒特にハッサン達は酷いな。見ない顔の冒険者がいると、必ず絡んで嫌がらせをしている。


冒険者4

⇒もうハッサンは大人しくなったぞ?


冒険者5

⇒そうなのか? ついにギルドが動いたか?


冒険者6

⇒いや、駆け出し冒険者にやられた。


冒険者7

⇒新人に? ハッサンは曲がりなりにもB級だぞ?


冒険者8

⇒俺も見ていたよ。「お前なんて、俺にかかれば──アウアウアウァァァ!」事件のことだな。


冒険者9

⇒全く内容が把握できない。詳しく。


冒険者10

⇒ハッサンが落ち人の新人冒険者に嫌がらせをしていたんだ。あまりにしつこく絡むので、落ち人は言い返した。すると、ハッサンが殴りかかろうして──なぜか痙攣。「アウアウアウァァァ!」と叫んだ。


冒険者11

⇒落ち人が何かしたのか?


冒険者12

⇒その可能性もある。ただ、その落ち人はスキルもなければ、魔法適正もない。おまけに魔力も0なんだ。そんな奴がハッサンに何かできるとは思えない。


冒険者13

⇒もしかすると、別の仲間がいたのかもしれないない。


冒険者14

⇒その可能性はあるな。


冒険者15

⇒その落ち人、たぶん東の草原でネズミとウサギを狩りまくっているやつだぞ。毎日、ギルドに山のようなマジックラビットの毛皮を売りに来ている。


冒険者16

⇒パーティーは組んでいたか?


冒険者17

⇒いや、一人だ。


冒険者18

⇒一人でそんな大量のマジックラビットを倒せるものなのか? スキルも魔法もなしに。


冒険者19

⇒身体能力が優れているのかもしれない。


冒険者20

⇒そんな風には見えなかったがなぁ……。


冒険者21

⇒その他、変わった出来事はあったか?


冒険者22

⇒最近、教会のポーションがまた値上がりした。普通のポーションが一本、金貨3枚になった。


冒険者23

⇒冒険者が増えて需要が高まった途端、値上げかぁ。あくどいな。


冒険者24

⇒おい、失言だぞ。アスター教の関係者に聞かれたらどうする。


冒険者25

⇒議事録からは削除するように。


冒険者26

⇒今、回復魔法の使えるアスター教の司祭をパーティーに入れようとすると、1か月いくらかかる?


冒険者27

⇒金貨50枚からだ。


冒険者28

⇒それならば司祭を雇った方がお得かもしれないなぁ~。


冒険者29

⇒あいつら、威張るから嫌いなんだよな。


冒険者30

⇒なにか、手を考えなければならないならないな。

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