第8話
玉藻さんの尻尾を見たいが為に結婚は、駄目だろうと思いながらも、諦めて結婚すればもふもふの癒やしが待っているぞと悪魔の誘惑があったがなんとか理性をフル稼働させて持ちこたえた。
「あらっ残念、裕二さんがこれで結婚してくれたら尻尾を見せてあげることが出来たのに。私ってそんか魅力ないかしら」とイタズラ顔で玉藻さんはふてくされる。
「そんなことで結婚したらお互い後悔しますからね、それに結婚するなら俺は稲荷ちゃんのことをもっと知っていきたいですし
今まで知らなかった稲荷ちゃん達みたいな存在のことにも慣れていかないと苦労しそうですし」
「結婚のことを多少なれど考えてくれているなら今はよしとしましょうか。それに裕二さんには確かに慣れてもらわないと大変なのは本当ですし、みんなが気づいてないだけで私達のような存在は案外身近にいるんですよ」
身近なちょっと変な人だなと思った人も、もしかしたらそんな存在だったのかもしれないな今思うと本当に、身近に玉藻さんや稲荷ちゃんみたいな存在がいたのかもしれないな。
「それにしても稲荷ちゃんの変化の甘さはどうしたものかしら、修行のし直しになると簡単には戻って来れると思えないし」
「いっ嫌です、あの場所からやっと開放されたのにまた出戻りになんてなったらまた出るまでいつまでかかるか」
「ちなみになんですが、その修行というのはどんなことをされるんですか?稲荷ちゃんがそこまで嫌がるなんて気になるんですが」
俺の問に稲荷ちゃんの反応を見るとガクガクブルブルと頭を抱えながらごめんなさいごめんなさいとやばい感じになってしまっていた。
「そうですね〜稲荷の場合私の娘ということもありかなり期待されていて修行も厳し目だったのも事実ですからね。朝は身を清め精神統一の為に滝行から始まり、変化の修行を夜まで行ない出来なければ暗闇で音もほぼない空間で自分を見つめ直させたりと色々」
暗闇で音の無い世界とか怖っ、普通の人なら暗所恐怖症とかなるレベルだろ。そりゃ戻りたくないわな
「ふ〜だからこそ悩んでるのよね。ん〜こうなったら裕二さんと主従契約を結んでしまいましょうか?そうしたら変化も裕二さん次第になるので勝手に変化が解けたりもしなくなりますなら」
「おっお母様主従契約なんてそんな、いえあの」
稲荷ちゃんのこの反応はどう捉えるべきか、主従といえば単純に上下関係で相手を縛ることになるんだよな。
「だって稲荷ちゃんはまだ、力を制御出来いないのだから誰かに制御してもらったほうが確実じゃないかしら?それに裕二さんなら稲荷ちゃんの力を制御はもちろん、もしかしたら早い段階で力の覚醒に至らせるかもしれないわ」
「力の覚醒ですか?いったいどんなことが起こるですか?お母様」
「覚醒はその者の力を数段引き上げてくれますが、その内容は決まっていません。はっきり言えることはその者が持つ資質によりますね、あなたは私の血を引く唯一の娘ですからもしかしたら」
「わかりました。私、裕二さんとの契約します。今のままの弱い私ではお母様に心配ばかりかけてしまい嫌だったです。裕二さんどうか私と契約してください」
結婚の前に主従契約とか俺はいったいどうしたらいいんだろう?
「裕二さん安心してください、この契約はいつでも解除出来ますし、裕二さんの垂れ流している力を消費することで狙われることも少なくなり稲荷も裕二さんの力で強くなることで防衛力の強化に繋がるので悪いことはありません。母親目線で言うならばこのままでは修行のやり直しになり離れ離れになってしまうのは私としてもかわいそうなのでどうか契約して上げてください」
修行のやり直しとか本当に嫌そうにしてるし、今後のことを考えると危険には備えておきたい。そうなると選択肢は一個だけだな。
「分かりました、稲荷ちゃんと契約しますが問題が起きれば解除しますのでそれは分かってください」
「はい、今はそれで充分です。娘のためにありがとうございます」
俺は今日から稲荷ちゃんのご主人になることが決定した。まだ結婚とか決まってないのにご主人とかこれからどうなっていくのやら?
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