Dramatic 青春 ディレクターズ Club

すわり

第1話 …… Dramatic 青春 ディレクターズ Club

Introduction


入学式が始まる前のこと。


「「「キャーーーッ!」キャーーー!」」


花飾りがつけられた校門を潜るその時、

前の方から何か騒がしい声が聞こえてきてるのに気がついた。


「あ… あの人が…」


そういえば、この学校には芸能人の先輩がいるって、誰かが言ってたっけ。

その先輩らしき人が何故かすごいスピードで走りながら、新入生の人混みを突っ切っていく。


何人もの女子達がキャーキャー喜んで、みんな色めき立って、中には先輩にサインをお願いしながら追いかける人もいて…


「こらーー!お前、自分の影響力自覚しろーー!!」

「すんませーーん!!!ちょい事情があってっすねー!!あ〜!!みんなーー!入学おめでとーーー!!!」


ワーキャ―めちゃくちゃ盛り上がってる。

入学初日からなんかスゲー…!


先輩がこっち側に走ってくるその時、楽しそうに、半分苦々しげに吐き捨てながら通り過ぎて行った。


「っっっとに!ばかやろう!アイツー!!」


……アイツ?


その疑問は、

前に向き直ると同時に、頭から抜けていった。

"とある知り合いの女子"の後ろ姿を見つけたから。


後ろ姿しか見えてないけど、

騒ぎを見て、クスクス笑っているように見えた。


こっちを振り返らないかな…なんて思って…

でも、振り返ったとして、俺が挨拶していいのかな?そこまで仲良くないか…



結局そのまま先輩の騒ぎも遠のいていって、なんてことない入学式が行われる。



それが…平穏なんて忘れるくらいの、

めちゃくちゃで、ドラマチックな高校生活の、前哨戦だった――――――――――





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