第56話056「嘆願。そしてチャット機能復活!」
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93:Dストリーマー名無し
おーい、オメガ様〜〜!
観てますよ、オメガちゃんねる!!
94:Dストリーマー名無し
強いオメガ様、かっこいい〜!
95:Dストリーマー名無し
オメガ様ぁぁ!!!!
96:Dストリーマー名無し
かっこよかったです、オメガ様!
⋯⋯
⋯⋯
⋯⋯
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そこには『Dストリーマー掲示板』が映っており、掲示板住人たちによる「オメガちゃんねる観ています」といった書き込みがいくつもあった。
「こ、これは、一体⋯⋯?」
掲示板の多くの書き込みを観て言葉を失うタケル。すると、そこで琴乃がスマホの画面を『オメガちゃんねる』の画面に切り替えると、
「観てくださいオメガ様。チャンネル登録者数と再生数を⋯⋯」
そう言われて、切り替わった自分のチャンネルを観るタケル。すると、
「え? チャンネル登録者数が10万人⋯⋯超えてる?!」
チャンネル登録者数を観て驚くタケル。さらに、
「はい。あと再生数に至っては20万を超えています」
「ほ、本当だ⋯⋯」
タケルはチャンネル登録者数や再生数の異常な伸びの現実にいまだ理解が追いついていなかったが、しかし、渚や琴乃が言うように、たしかに自分のチャンネルもバズっていることだけはわかった。
そんな中、琴乃が再度『Dストリーマー掲示板』の画面に切り替えると、
「オメガ様、これを⋯⋯この住人の願いを⋯⋯どうか聞き入れていただけないでしょうか?」
と、さっきよりも少し熱を帯びた瞳と声でタケルに呼びかける。
「え? あ、これって⋯⋯」
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111:Dストリーマー名無し
オメガ様!
どうか!
どうか!
どうか、チャンネルのチャット欄復活をお願いしますっ!!!!
112:Dストリーマー名無し
俺たちが悪かった
いえ、悪かったです! ごめんなさい!
だから、チャット機能復活してください!!
113:Dストリーマー名無し
チャット機能復活、
114:Dストリーマー名無し
先週の炎上でオメガ様の心傷お察しします
ですが、いえ、だからこそ!
私たちはこれからもオメガ様を支えて行きたいんです!
だから、どうか!
チャット機能の復活をお願いいたします!!
⋯⋯
⋯⋯
⋯⋯
⋯⋯
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「『オメガちゃんねる』チャット機能復活の嘆願です! ちなみに、わたくしも
「こ、琴乃⋯⋯さん」
琴乃さんがユラユラと涙で揺れる瞳で訴える。
「チャット機能復活⋯⋯か」
俺はこの間誓った⋯⋯「チャンネル登録者数が増加していった時にチャット機能を元に戻す」と。
そして、それは⋯⋯いまなのかもしれない。
——時は来た(クワッ)
「わかりました」
「っ!? オメガ様!」
「これからチャット機能⋯⋯オンにしますね」
俺はそう言って、スマホを取り出しDビジョンアプリでチャット機能をオンにする。すると、
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【オメガちゃんねる/同接視聴者】
:チャット機能復活キタァァァァァ!!!!!!
:ありがとうございます! ありがとうございます!
:てえてえ! てえてえ!!
:遂にチャット機能復活だぁぁぁぁぁ!!!!!
:ふおおおおおおっ!!!! と記念カキコしてみる
:バカ野郎! 記念カキコとか⋯⋯いいぞ、もっとやれっ!!
:感謝! 大感謝!
:Big Thanks!!
:太感谢您了! 太感谢您了!
:おい外国人もいるぞ?!
:たりめーだろ! 誰だと思ってんだ、オメガさんだぞ!
:あああああああ、ありがとうぉぉぉぉ!!!!!
:ありがとう! 本当にありがとう!!
⋯⋯
⋯⋯
⋯⋯
⋯⋯
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チャット欄にコメントが一斉にダーっと流れていく。
「え、えええええっ?! チャ、チャット欄が⋯⋯すごいスピードで流れてくっ!!」
すごい、これがバズるってやつか!
「オメガ様、ありがとうございます! 私も早速チャット欄に記念カキコさせていただきましたぁぁぁ!!!!」
「あ、はい。ど、どういたしまして⋯⋯」
琴乃さんがそう言いながらすごいテンションで自分の書いたコメントを観せてくる。
あ、あれ?
琴乃さんってこんなキャラでしたっけ? キャラ、完全に崩壊してね?
とはいえ、そんなことは当然言えず、とりあえず感謝の言葉を伝えておいた。だって、どう声かけたらいいかわからないんだもん。
「それにしても、どうしていきなりチャット欄復活してくれなんて声が上がったんだろ?」
「あ、それはあれです。今回、私たちを助けたことでオメガ様のCG疑惑が完全に消えたからです」
「え? そうなんですか?」
渚さんの話によると、今回『
「だって、他のDストリーマーの配信に映っているわけですからね。こんなのCGなんて無理でしょ?⋯⋯ってことだと思います」
「な、なるほど」
たしかに、そりゃ無理だわな。
「とにかく! 私もオメガ様のチャンネル登録者なんですからね! オメガ様にはこれからどんどんDストリーマー活動を頑張ってどんどんダンジョン探索を進めていって欲しいです!」
と、渚さんが琴乃さんと同じようにグッと近づいて訴えてくる。
あ、渚さんも良いにほひ⋯⋯。
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