空が夕闇に変わる頃
琥珀
【第一章】始まり1
幼い頃から、"変人"というレッテルを貼られる事が多かった。
いつも何処か変な所を見ている。独り言が多い。突然泣き出す。突然笑い出す。
そんなわたしを両親は不安に思い、いわゆる"先生"のところへ連れて行かれたこともある。
それはある程度成長するまで、数回あった。
でも、診断結果は至って正常だ。
医者の質問には的確に答え、読み書き、計算、運動能力だって、そこら辺の子供よりは長けていたと思う。
自分が他の子と違うと気づいてからは、それも無くなった。
あえて"見えない"ふりをし、聞こえないふりをし、そこには何も居ないと自分に言い聞かせた。
だけど、そんなふりも失敗に終わることもある。それが、たった今の現状だ。
ああ、どうしよう・・・。
"彼女"は地面を引きずるほど長い髪を前に垂らし、その隙間からわたしをジッと見つめている。
普通なら見惚れるほど大きくて綺麗な目だが、残念なことに、普通とは程遠い。
私の認識では、人間の目は2つ存在するはずだ。だけど、彼女の目は1つ。それも、顔の半分程の大きさで、それが額の位置にあるのだ。
こんなことなら、わたしも飲みに行けばよかった・・・。
何故こんな状況に陥ったかというと、話は1時間程前に遡る——。
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