第23話 合体
「……そうです! ヴェラさん、白紙の設計図はありますか?」
「あるよ、あるけどどうするの?」
「ちょっと思いついたことがありまして……あ、これ書くものは……」
「これ使って!」
ヴェラは白紙の設計図を引き出しから出し、自分の杖をレプスの渡した。
「これでどう書けばいいのですか?」
「魔力を込めて書いてみて」
「なるほど、つまりこれをこうして……」
レプスは自分の考える通りに杖を振るわせ、設計図に図を刻み始めた。
「なんだ? なにやらとても大きな機械のように見えるが……」
「すごい……」
レプスの刻む設計図は、巨大な人型の機械のように見えた。
それは先ほどまで見ていたアルネブ達の動かす巨大兵器のようにも見えた。
「できました!」
「おお……何か凄いのはわかるよ!」
「なんだこれは……」
レプスが完成させた設計図……それは、巨大な戦士のようだった。
両足は地竜、亀の甲羅のような左腕に熊のような右腕、背中には鷲のような羽が生えていた。
「これは、先程の4つの機械を掛け合わせたものです! 確かに巨大な機械を作るのは難しいかもしれませんが、限界まで大きくした巨大を合体させれば上手く行くのではないでしょうか?」
「おお……凄い! 凄いね! レプちゃん!」
「おおおお……ヴェラさん、苦しいですよぉ……」
レプスの考えに、ヴェラは気持ちを高ぶらせ、思い切り抱きしめた……のだが、ポラリスは2人を引きはがし、反論を述べた。
「待て待て! 考えたことも無いぞ! 機械を掛け合わせるなんて!」
「……そうなのですか?」
「レプスの星では普通なのか……」
「はい、でも……この世界でもできそうですけど?」
「おいおい、口で言うのは簡単だがな……」
ポラリスは前代未聞の企画に、心の中では「できるわけがない」と結論付けていた。
自分が指揮していた現場でも、これほどまでの機械は作ったことがない……。
そんな考えに反発するように、ヴェラが声を上げた。
「うーん、確かに難しいね……とりあえずやってみよう!」
「や、やってみる?」
「うん! 確かにポーちゃんの言う通り、考えたことも無いし、口で言うのは簡単かもしれないけど……とりあえず、やってみよう!」
「……そうですね!」
……ヴェラの言葉に、レプスは目を輝かせるが……ポラリスは呆れた表情を見せていた。
「あのなぁ、さっきも言ったが……」
「口で言うのは簡単、でしょ? でも、とりあえずやってみようよ!」
「だから……」
「もう! ポーちゃんったら!! ……あっ」
中々首を縦に振らないポラリスを見て……ヴェラは痺れを切らし始めた。
……しかし、ポラリスがどういう人間だったのかを思い出し……何かを企むような表情を浮かべた。
「へー……ポーちゃん、自信無いんだぁ」
「……なんだと?」
ポラリスは、ヴェラの煽りに……鋭い目を光らせた。
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