今は愛も多様性

佐藤恩

妹ってなんなん

一度は、言ったことがあるだろう。


「みんなもってるから」


この文。

言葉にしてしまえば、幼いころに何気なく吐いたお願い事の効力を強くする魅力的な言葉であり、世の中の親御さんたちを幾度となく困らせてきた魔法のような言葉である。


何年か前に、妹から欲しいおもちゃがあるとねだられたときにこの言葉が出てきた。

当時の私は、


「そうなの、みんな持ってるのね~」と返し、こう質問した。


「じゃあ、みんなっての、名前教えて?」と


めちゃめちゃ意地悪な返しだ。私が妹の立場だったら泣いてもいい。


「このおもちゃが欲しいのに、分かってくれない,,,」と不甲斐ない兄貴を引っぱたいて、次の日の朝には慣れない早起きをして憐れに寝ているカス(兄貴)の顔にのペンでいたずらをする、ここまでは確定する。そして、僕が今の精神年齢のまま戻ったら、裸になってさも事後かのような写真を撮り、児ポ。もとい「実の妹に手を出した兄貴」という社会的殺人の証拠を盾に兄貴を脅すだろう。

「お兄ちゃんに手を出された」と母親に訴えることをちらつかせながら。


その後は、愛しい愛しい妹に手を出した写真(ように見える写真)を道具に兄貴にをするだろう。世の中の妹はそうすると、この前教わった。兄側の友人から


その時の衝撃は凄まじかった。何しろ、僕のは仮定の話だ。ヤってないのだから。

しかし、彼らは本物の写真を見せてくれた。どうやら兄が中3、妹が中2の時のことだったらしい。

当時の兄には、思春期真っ只中。彼女のかの字もなく、異性に飢えていたという。そして、一人で発電という環境問題を解決する素晴らしい活動、もといボランティアを行っていた兄を見てしまった妹が一言。


「にぃ、なんで○○○○○であそんどるの~?」と。


中2という多感ながら性の知識は持ち合わせていない妹は興味津々だったようで、、、


兄は兄で目覚めたのだ。妹に見られながら発電するという背徳的な行為に。

そうして習慣化された発電(?)と、メキメキ知識を付けていく妹。


遺伝子上、兄妹は互いに性的魅力を感じないよう設計されている、という。

それは、人類が繁殖していく上で血が濃すぎると色々とまずいからだそうだ。


設定通りなら、そうだ。しかし彼らはイロイロ違った。

半年もしないうちに兄は、妹の純潔を奪ってしまった。

その実、妹は散らしたというか、奪わせた感じだったようで。

兄が年末で満足に処理できず、悶々としているところ、

妹さんがそれはもう、衣装で迫ったらしく、、、


その当時の兄は、よく

「もう彼女いらないわ、妹がいればそれでいい」

と友人に漏らしていたらしい。


それから、二人は、枷を外された獣のように盛ったらしい。

兄は妹としているという背徳感でそれはもう、盛り上がり。

妹は大好きな兄と気持ちいい行為をできるからと。


そんな行為が何年も続き、自然と恋人関係になった二人。

しかし、社会はの妹と恋人をしている兄を認めるはずがなかったのだが

神様はどうやら、ラブコメを愛しているらしく、


二人は、の兄妹だった。


詳しい事情は省くが二人の間には血の繋がりなど欠片もない。ただの男と女だったのだ。


兄が大学入学とともに両親に恋人宣言をしたところ、その夜に父親から血縁関係を説明されたらしい。兄としては、実妹との恋人関係が理由で勘当される覚悟したが父親は、


「やっぱり?気づいてないと思った?ってか壁薄いんだよ、この家。あぁ~それとお前ら血繋がってないし、柚璃(妹)なんて赤飯をお願いしてきたんだよ?何年も前から知ってるよ。」


と告げ、義理であることをあっさり伝えたようで。

それから妹も呼んで家族会議開始。


妹によると、

・幼いころの記憶に兄がいないこと

・兄妹で互いに異性と見ることに違和感があったこと

・恋人になったその日に母親に相談したとき、血縁の話を聞いたこと


むしろ3つ目が一番納得というか、「よしきた」と思い、背中にジェットパックを装着されたかのように押せ押せだった。おかげでより一層二人の共同作業に励んだそう。


兄以外が知っていた血縁事情と両親が納得した恋人宣言、殴られる覚悟をしていた兄にとっては衝撃的で2日ほど寝込んだそう。


その間。妹の熱心なのもと、気力を取り戻し、ことの顛末を聞くと、


結果的にむしろ、結婚はよ、と母親から言われたという。


そんな意味の分からない、羨ましくけしからん兄の話を聞いて、僕は叫んだ。


ってなんなん???」



ちなみに彼らは、妹が18歳になったその日に入籍して順風満帆な生活を送っている。


爆ぜてしまえ。


※ちなみに後日、妹(?)さんと会ったがめちゃめちゃ可愛い、好き好きオーラが漏れ出しててもう、意味わからん。

 



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