第2章 創造性の源泉
ネクストライフ社の一員となった剛志は、イマジンプロジェクトチームとの顔合わせに臨んだ。会議室に入ると、そこには個性的なメンバーが集まっていた。
チームリーダーの篠原理沙は、鋭い眼光を剛志に向ける。「萩原君、イマジンプロジェクトへようこそ。君の力が必要だ」
「よろしくお願いします。全力を尽くします」剛志は深々と頭を下げた。
隣に座る岡村悠人が、気さくに話しかけてくる。「萩原君、AIに負けないプログラマーだって?期待してるよ」
「ありがとうございます。岡村さんこそ、アイデアマンだと聞いています。一緒に頑張りましょう」
そうして、剛志はイマジンチームの一員として、創造性の探求に乗り出した。
プロジェクトが進むにつれ、創造性とは一体何なのかという問いが、剛志の中で大きくなっていく。単なるアイデアの組み合わせではない。既存の概念を超えた、新しい何かを生み出す力。それが創造性だ。
チームで議論を重ねる中で、岡村が斬新な提案をした。
「創造性の源泉は、人間の感情や感性、五感なんじゃないか?AIにはない、人間ならではの特性が鍵を握ってる気がするんだ」
その言葉に、剛志は膝を打つ。確かに、人間は喜怒哀楽の感情を持ち、美しいものに感動する感性がある。五感を通して世界を認識し、そこからインスピレーションを得る。
「なるほど、AIにはない人間の強みか。アルゴリズムに落とし込むのは難しいが、挑戦する価値はありそうだ」
剛志は、感情や感性をデジタルデータ化する方法を考え始めた。音楽や絵画、物語から得られる感動を数値化できないか。五感から得られる情報をパターン化できないか。
アイデアを形にするため、剛志はプログラミングに没頭する。昼夜を問わずコードを書き、試行錯誤の日々が続いた。
「萩原君、君なりのアプローチでいい。型にはまらない発想で、道を切り拓いてくれ」理沙はそう言って、剛志を支えてくれた。
一方、悠人も持ち前の明るさで剛志を励まし、時にはユニークなアイデアを提供してくれる。
「よし、今日も一歩前進だ!次世代AIはきっと完成するよ」
仲間に支えられ、剛志は前を向いて歩み続けた。人間の創造性をAIに宿す。その夢の実現に向けて、今日もキーボードを叩く。
創造性の扉は、少しずつ開かれつつあった。剛志は確信した。人間とAIが協働する未来を、自分たちの手で切り拓いていけると。
第2章 完
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