第七話 新たな仕事(前編)

こいつらが来てから1ヶ月が経った。

特に魔法を覚えてからは特別話すようなことはなく、日々のほほんと過ごしていた。

今は朝の9時、朝食を終え、みんなリビングでくつろいでいた。

ばあちゃんは友達の家に泊まっているらしい。

そして、俺はそんなワンパターンな日々を変えるため、あることをみんなに言った。


「お前ら!車に乗れ!」


「なんで?今『ゴッ◯ファーザー』見てるんだけど」


渋すぎだろ名作だけど。リエルみたいなインスタでストーリー上げてそうなやつの見る映画じゃねぇ。


「わかるわリエル。でも私は『七◯の侍』とか良かったわね」


お前ら中身ジジィなの?女陣営どんな趣味してんだよ…

まぁ俺も『用◯棒』とか気になってるけどな…やっぱジジィしかいねぇわ。

唯一ジジィ化してないランパードはずっと『マ◯ー2』をやっている。

スマブラをみんなでした時、あろうことかPK◯ァイヤーを連打する快感にどっぷりハマってしまい、「やっぱり使いキャラの元ネタのゲームもやっときたいなぁ」とか言い出して、sw◯chでずっとマ◯ー2をやっている。

PK◯ァイヤーばっか連打するやつのどこが使い手だよ。ばあちゃんでもできたぞ。


「まぁそんなんはどうでもいいんだよ!とりあえず車に乗れ!」


「わかったよはやと、お前がそんなに言うってことは、結構すごいもんがあるんだろうな?」


「そうだよランパード君、君は驚くかどうかは知らないが、俺にとってはすげー大ニュースだ!」


「まぁ住まわせてもらってるし、お前らも行ってみようぜ」


「まぁ仕方ないわね…。ほら!リエルも行くよ」


「わかったわよ!あーあ、いいとこだったのに…」


そう言って俺たちは玄関からでて、車に乗った。


_目的地_


しばらくして駐車場に車をとめて、三人を車から下ろし、少し歩いたところにある建物の前に立って言った。


「ここで俺は、楽器屋さんを始めます!」


「「「おぉ!」」」


そう、俺は昔からギター、ドラム、ベース、ピアノと分身したらバンド完成セットの四つの楽器をやっていた。

モテるためにやったってとこもあるが、何故か全然モテずに学校生活が終わってしまった…何故だろう?本当にわからない…

まぁそんなことは置いておいて、俺はずっと前から楽器屋さんをやりたいと思っていたんだ。そのために実は2ヶ月前ぐらいから準備をしていた。

1年ぐらいかかると思ってたのだが、友達が昔やっていたバーの建物を、俺に譲ってくれたのだ!楽器などは、楽器屋さんをやっている知り合いがちょっとばかし楽器を譲ってくれたことで、結構な量の楽器を手にいれることができた。

まぁ大半は俺が借金背負って色んなところから買い漁ったんだがな…

でも、今はそんなことはどうだっていい!俺も内部の細かい構造とかは全部業者の人に任せちゃったから、完成系は見てないんだよな、すごく楽しみだ。

そして!


「お前らには、ここで働いてもらいます!」


「「「でしょうね…」」」


予測はついていたんだろう、みんなやっぱりなっていう顔をした。


「まぁでも、俺たちも働くしかないよな」


「「だね…」」


嫌がってるがそんなんは知らん。最初にそういう何でもするかわりで一緒に暮らすという約束だったからな。


「まぁいいじゃないか。ブラックにはしないからさ」


そう言いながら扉の前に立った。


「では、我らの楽器屋さん、オープン!」


そう言って俺が扉を開けると、そこにはたくさんの楽器が置いてあった。ギターはギ◯ソン、フェ◯ダー、マー◯ィンのものはもちろん全て置いており、スト◯ンドバーグやメイ◯ンズなどの、ちょっとだけマイナーなメーカーも取り揃えており、ベースもメジャーなものからマイナーなものまで、さまざま、ドラムはパ◯ルとかヤ◯ハとかのしか取り揃えていないが、これからも追加していこうと思う。

ピアノに関してはヤマハから出てる電子ピアノを並べている。まぁギター、ベース、ドラムを中心的に扱っていこうと思っているから、ピアノはあまりなくても困らないだろう。


「というわけで、お前らに役割を与えよう!まずはリエル!」


「はい!」


「お前はレジをするんだ!計算とか得意だろ?頑張ってくれたまえ」


「わかりました!」


そう言ってお辞儀をすると、早速レジの方に向かった。いいねぇ!やる気があるのはいいことだ!


「そしてランパード、お前には裏方の仕事をしてもらう。楽器などをメーカーから仕入れたり、修理をしたりしてくれ!こういう仕事は案外器用なお前が向いてると思う」


「わかった!任せたぜ!」


そう言ってすぐにスタッフルームに入って言った。


「そしてフェミエル、俺とお前は接客だ!かなり重要な役割だから、気を引き締めるんだぞ」


「わかったわ祖チン」


「おーっとここでは祖チンではなくて店長と呼んでくれ」


「あ、忘れてた。ごめん店長」


「よし、そんな感じだ!」


俺はニカっと笑って見せた。


「さぁーお前ら!最初の客が来るまで、接客の仕方とか修理の仕方とか、いろいろ教えてやる!」


「「「お願いします!」」」


よし、いっちょやってやっか!

俺の心は希望に満ち溢れていた。


_3時間後_


「誰もこねぇじゃねぇか」


「ねぇ、いつまでこのレジで立ってればいいの?」


「全然客が来ないね。店長、やっぱり立地が悪かったんじゃない?」


「それにしても誰も来ねーな。俺修理するものもないし、仕入れたりするものもないからめっちゃ暇なんだけど…」


リエルにレジで言わないといけないことは全部覚えさせたし、ランパードには仕入れの仕方も教えたし、ギターの修理方法も教え、完璧にできるようになった。

こいつらの適応能力すげーな。よくこんな短時間で完璧にできるようになるわ。

てかそんなの気にしている場合ではない。


「おいマジでどうする?もう今日は帰るとするか?」


そう言った瞬間


カランコロン


((((来た!))))


扉が開き、そちらの方を見ると、そこには五人ほどの女の子たちが立っていた。


「「「「いらっしゃいませ!」」」」


俺、フェミエル、リエルがお辞儀をしながらそう大きな声で言った。

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