第38話 バロン

 ドロン ドロン

紫色の雲が現れ、光っている。雷が見える。

他の魔物たちが町人を襲うのをやめ、空を見上げている。

大きい翼を持った、黒い大きな魔物が光った雲の中から、現れた。剣を背中にたずさえている。コングより大きい体だった。

「最高司令官だ!みんな、気を付けて!」ジルが叫んだ。

「バロン様!バロン様!」他の魔物たちが叫びだした。

バロン最高司令官が降り立った。

「すごいオーラだ。体がビリビリしてくる」

魔女が呟いた。

「私のかわいい部下を倒したのは貴様らか」バロンが言った。

「そうだ。俺たちは町の平和を願っている」コングが言った。

「ふははは。町の平和だと?」

「は!」バロンは指から光線を放った。

ビューン

コングに光線が放たれた。

「う、う・・」

「見えなかった・・早い・・」コングが言った。

「まかして!えい!」キューは戦車ミンクーに乗り込み砲撃した。

ダン!ダン!ダン!

あたりは煙に包まれた。バロンはマントでガードしている。

「効いてないのか!」キューは驚いた。

「よし、俺の番だ!」ジルが呪文を唱え、弓矢を放った。

「最高魔法、100本の矢だ!」

ビュウ ビュー

ジルの魔法の弓矢、100本の矢が連続でバロンに当たった。

ガガ・・ガガン

バロンにダメージを与えた。

「なめた事を・・」ズキューン!

光線がジルへ。

「うわ!」ジルにあたり、負傷した。

「魔女・・まだ魔力は復活しないのか?」コングが小声で聞いた。

「もう少し、時間をかせいでおくれ」

バロンはさらに光線を放った。

バーバラに当たり、倒れた。

「バーバラ!」皆が心配した。

「くそー!風の魔法を最大で!」

キューが戦車から降り、バロンに突進した。

「うるさいハエどもめ」

バロンは両手を広げると、波動を放った。

衝撃波しょうげきはで、空間が震えた。

皆は衝撃波で飛ばされ、倒れ込んだ。

 「ま、まずい。全滅する・・」魔女がつぶやいた。

ポルサは無線でマックスウェル伯爵に連絡をとった。

「伯爵・・まずいです・・やられている・・」

ピーピー 無線で伯爵の声。

「潜水艦ミンクーの配置は完了した。砲撃できます。座標を教えてください」

「M4578 L311・・」

「分かりました。皆は急いでその場を離れてください」

「は、はい・・」

ポルサは大きい声を出した。

「皆さん、離れて・・ミサイルが来ます・・」

コングたちは、混乱していた。

「は、離れるぞ!」

「でも、負傷した仲間が・・」ちいが言った。

グオン グオン

上空からミサイルが飛んできていた。

「よし・・少し魔力が回復した。バリアーを張る。私の周りに皆を集めて」

「わ、分かった」

「ちい!こっちだ」

キューがちいに声をかけた。

「くそ!この小娘!」

バロンがちいを掴んだ。

「ちい!」

キューが叫んだ。

「キュー。バリアーに入れ!」とコング。

「ちいが!ちいが!」

「キャー!」

ちいはバロンの大きい手で鷲掴わしづかみにされている。

「喰ってやるぞ」バロンが言った。

その時、上空からミサイルがバロンにめがけて落ちてきた。

ドガガン ドガガン

大きな爆発が続いた。

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