第35話 ポルサ、無線機を使う

 ビブリンも血を流しながら、追ってくる。

キュー達は地上に出た。

「ありがとう。ちい。助かったよ」

「また、瞬間移動したのが、良かったね!怖いやつがいたね」ちいが言った。

「あ、あれは!」ポルサが空を指さした。

五体の黒の魔物が翼を広げ、こちらに迫ってきている。

「仲間を呼んだに違いない!」

「コングの所に行こう」ちいが提案した。

コングとジルはフルームの世話をしていた。

「町の者もどんどんウイルスにやられている。なんとかせねば」コングが言った。

「黒の魔物が出入りしているから難しい」とジル。

「水を持ってきたよ」とバーバラ。

「ちいがまた消えたよ。ポルサも。パッといなくなった」

「キューのドルゾーのネックレスを忘れていた。あれがキューの所にある限り、瞬間移動しちまう」コングが言った。

「うむ。噂をすれば」ジルが遠くを見た。

「みんなー」ちいとキュー、ポルサが走ってきた。

「魔物がたくさん来たの!やっつけて、コング!」ちいが叫んだ。

「また、戻りました。本当です。魔物がたくさんきている!」キューが言った。

「どうしたんだい。おや、キュー」魔女が入ってきた。

「魔女さん。魔物をやっつけて」ちいが興奮して言った。

「あ!」お城を指さした。

魔物たち口から火を出してきた。

「お城が燃えている!」バーバラが叫んだ。

「僕のお城が・・」キューが涙ぐんだ。

一体の魔物がこっちに向かってくる。

ジルが弓矢を手にした。コングもマスターブレードを握りしめた。

魔物は高速でこちらに向かって来て、キューを掴んだ。キューはさらわれようとした

「うわー!助けてくれ!」

ジルは弓矢を放った。魔物の右肩に刺さった。キューを放した。キューはしりもちを着いた。「いてて」

魔物は怒って、火を噴いた。

「火の魔法なら、こっちも負けないよ」

魔女は呪文を唱えた。

真っ赤な火の玉が魔物に向かっていった。

魔物に火の玉が当たり、爆発した。

魔物は苦しそうに地上に落ちた。

コングの剣が魔物の首を切った。魔物は首が取れて、息絶えた。

「あ!大勢の魔物が町人を襲っている」ポルサが言った。

「どんどん仲間を呼んでいる。やつらは町を焼き尽くすつもりだね」魔女が言った。

「町のやつらは、ウイルスで士気を失っている。戦えたものじゃない」ジルが言った。

「ポルサ、どこへ行くの?」ちいが言った。

「ちょっと‥待っていて・・」

ポルサは自分のカバンの中にあった、小さな機械を取り出した。

「ポルサ、それなあに?」ちいが尋ねた。

「一回だけ・・一回だけ使える魔法の無線機・・」

「ポルサ、何している?お前も戦え」コングが言った。

「待って!ポルサは何か考えがあるのよ」ちいが言った。

 ポルサは無線機を使った。

突然あたりが閃光せんこうし、空間が歪んだ。

歪んだ空間から、金色の男が現れた。

「トラベラーマン!」ちいが叫んだ。

「お、なんだ。ポルサ。強引に呼び出して。一回だけの無線機を使ってしまって良いのかい?」トラベラーマンが言った。

「誰だ。こやつは?」コングが驚いている。

「みんなを・・連れてきて・・剣ミンクー達を・・」

「剣ミンクー達をここへ?」トラベラーマンが首をかしげた。

一体の魔物がまたこちらにやってきた。

「わわわ、こっちにくるわよ」バーバラが叫んだ。


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