第34話 ビブリン
「50万ミンはどうした。もう待てないぞ。いつ持ってくるんだ」
「もう払えません。それにこのひどい顔を戻して。元の顔の方がいいわ」
「300万ミンで戻してやろう」
「そんな!お金はもうないわ」
「ならば、その顔のままでいるんだな」
「何て事を・・・」母は泣いていた。
キューは部屋に駆け込んだ。
「母さん・・!」
母は鬼のような
「なんだお前は」
「母さん・・」
「アルフレッド。良い所に来た。お金を貸しておくれ。この顔を戻したいの」
母はキューに催促した。
「アルフレッド・・頼むよ。お金を・・」
「母さん・・」
「取引しよう。このビブリンに金目の物を渡せば、母親の顔は戻してやる」
キューはカバンからゴールドクリスタルを差し出した。
「これは!ゴールドクリスタル!良い物を持っているじゃねえか。よし。母親の顔を戻してやろう。俺は約束を守る男だ」
「ビブリン様!早く変えてちょうだい」母はすがる思いで立ちすくんでいた。
ビブリンは紫色の煙を出し、母の顔を変えた。
あたりは煙でモクモクした。
母の顔はとてもキレイな顔になった。
「一か月。その顔でいられる。また金を持ってこい。またキレイにしてやる」
「やったわ!」母は鏡を見て喜び、部屋をはずんで出て行った。
「お前・・」キューは怒りで体が震えた。
「よし。俺も帰るかな」ビブリンは立ち去ろうとした。
「お前なんか!お前なんか!」キューは風の魔法を最大でおこし、ビブリンを吹き飛ばした。ビブリンは竜巻にのまれ、壁に体を打ち付けた。
「こいつ・・やってくれるじゃねえか」
ビブリンは紫色の煙を出し、呪文を唱えた。
「う・・息が・・」
その時、ちいが空中から現れ、落ちてきた。
「痛い。キュー!キューなの?」
「ちい・・息が・・」
「ポルサもいるよ。行け!ポルサ!」
ポルサの剣ミンクーはビブリンを切りつけた。ズバッとビブリンは腕を切られ、紫の血が流れた。キューにかかっていた窒息の魔法も解けた。
「ハア、ハア。息ができる・・」
「今の内に逃げましょう!」ちいとキュー、ポルサはビブリンから逃げた。
「ま、待て・・」
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