第8話 仲間になる

ちいが聞いていた。

「わたし、コングと行きたい、連れて行ってよ」

「俺は危険きけんな所も行くのだぞ」とコング。

「だって、わたしね、気づいたのだけど、こっちの世界に来る時、いつもコングのそばにいるの。

きっとコングと一緒に旅をすることにきまっているのよ」

「確かにちいが現れる時、いつもそばにいる」コングも認めた。

「私も連れて行ってください。足手まといかもしれませんが、外の世界も見たいのです」

キューが言った。

観光かんこうガイドじゃないのだぞ」コングは困り果てこまりはてた。

「とりあえず、ここから南にしばらく行くとペトンの町がある。

そこへ行ったらどうかね。それでも足手まといなら、戻ってくるがいい」魔女はコングに提案した。


「うむ。仕方がない。邪魔だったら、いつでもここに戻るぞ!」コングは睨みつけた。

「ブヒー。よろしくお願いします」

「わたし、じゃましないよ」ちいも力強く言った。

「あんたは武器ぶきを持ってないのかい?」魔女がコングに尋ねた。

「ここに来る前にゾンビたちにおそわれて、うっかり落としてしまったのだ。あわてて逃げてきた」

「剣を失ったのだね。私の剣を持っておいき。

マスターブレードと言ってまじないで清められている。ちいとキューを守ってくれると思うよ。

武器としても素晴らしいよ」魔女は剣を差し出した。金色の剣でとても美しく輝いている。

オーラのある剣だった。

「何から何まで悪いな。もらっていくぞ」コングは剣を持った。

剣を肩にしょって、扉をコングは開けた。外はとても晴れていて、風がそよそよ吹いていた。

生暖かい温度だった。

ミンクー達が気持ちよさそうに、数匹飛び回っていた。

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