MINKU 時空を超えた物語

榊 直(さかき ただし)

1章コングと小さい女の子

第1話 はじまり

エメラルドグリーンの水が湧き出る泉の前で、ボロボロになった巨体の男が休んでいた。

全身きずだらけで、マウンテンゴリラそっくりだった。背の高さは300センチぐらいある。

男は何日も食べてなくて、お腹はペコペコだった。


うつろな目つきであたりを見回すと、羽が生えた2匹の妖精ようせいが飛んでいた。

「運がいいな。ミンクーか」男は悲願ひがんした。「俺の傷を癒やしてくれ」

男は両腕を広げ、目を閉じて男は悩んだ。「なんてとなえるのだっけ?」

「え~と」ミンクーは羽ばたいてこっちを見ている。男は思い出した。

「パリント!」さけびながら唱えた。2匹のミンクーは白く輝きだし男の周りを包み込むように

飛び始めた。白く閃光せんこうした。

男はとても気持ちが良く、傷の修復しゅうふくがなされた。


ミンクーは回復させる魔法が使える妖精だ。それしか男は知らない。詳しい事はあまり知られてないが、

ミンクーは昔からいて、呪文を唱えるとやしてくれるのだ。

男は体力が回復し、とてつもないパワーがみなぎっていたが、相変わらず腹ペコだった。

そこへ、赤い服を着た小さな女の子が歩いてきた。男はびっくりした。

女の子は男が見たこともない服装で、大きいリンゴを持っていた。

男は訪ねた。


「こんな所で、何をしている? 一人なのか?」女の子は、

「わからない。さっきまでテレビをみていたわ」

「テ、テレビィとはなんだ?」男は不思議そうに尋ねた。

「テレビを知らないの?それよりなぜゴリラがしゃべるの?」

女の子はキョトンとしている。


「名前はなんていうの?」女の子は尋ねた。

「俺の名はモンドール F バーロックだ」

「覚えられない。コングね。あなたはコング」女の子が言った。

「好きにしろ。お前の名は?」


「わたしはちい」


そのリンゴは今から食べるのか?」


「食べる?」


「リンゴをくれ・・・」か細くコングが言った。


「はいどうぞ」ちいはリンゴを渡した。


コングはムシャムシャと食べた。


「ん?」コングはなにか奇妙な味がした。「これは不思議な味だ」コングは

キョトンとした。コングは女の子を見ようと顔を上げたが、女の子はもういなかった。


2匹のミンクーの羽の音がキチキチと鳴っていた。


ちいはベッドの上で目を覚ました。

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