第5話 料理が美味しい…

「美味しい…」

そういうとエンヴィーさんが嬉しそうに返事してくれた。

「いつも焦げてるもの食べてるもんねー!」

また調べられてる⁉

しかし美味しいし、死にたくないので食べる。

「凄いです。私の母が作ってくれていたものは顔の形をした黒い液体のオムライスでした…。死にかけたりしないなんて…!」

「リーファ。それたぶんオムライスじゃないよ。何を入れたらそうなるの?」

ああ。以前はよく入院したなー。

骨を焼き鳥だよーって言われて出されたこともあったけ…。

「ご主人様。オムライスって美味しいんですね…!」

「奴隷になっている時の方が美味しい物食べてる事ってあるんだね。」

エンヴィーさんが苦笑いしているが、私は食べやすくて幸せになっているのだった。

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「ああ。エンヴィー様は愛されなくて可哀想ね。」

「旦那様は奥様を監禁しているし、奥様も旦那様に依存しているからね」

「子供なんて要らない!殺してしまえ!ですって。二人共、片方が息子に取られると思っているらしいわ」

…僕は可哀想なんかじゃない!

お父様みたいになんかなりたくない!あんな人達に愛されたって…!



一週間後

「旦那様がエンヴィー様を殺そうとしているらしいわ。」

「今日もエンヴィー様へ刺客を送り込んだのよ。」

どうして僕が殺されないといけないんだ。

産んだのはそっちなのに…!僕だって好きで生まれたわけじゃ…!

僕は刺客に殺されないように、必死に努力した。

そのおかげで才能があったのかどんどん強くなれた。

「エンヴィー様。少し、散歩でもしましょう。ここでは嫌な話もあるでしょう。」

ある日執事が僕を散歩に誘って気分転換をさせてくれたのだ。

「ああ。そうするか。」

僕たちは屋敷から出て、屋台で食事を取って休むと同時に目に入った建物が気になった。

「あれは…?」

「上級奴隷売り場ですね。興味がありますか?下級のと違い暴力を振るわれたりしていないんですよ。」

その時にリーファが見えたのだ。

焦げたパンを笑顔で食べていた。他の物は困惑した表情でリーファを見つめている。

「あの奴隷の名前は?」

「リーファです」

あれくらい従順だったら僕が依存しても許されるだろうか。

僕が愛しても命を狙われないのだろうか。

「調べておいてくれないか…?」

「かしこまりました。」

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