第4章―事件編 第43話 探偵屋の仕事 (探偵屋side)



 俺は、探偵事務所の社長である。社長とはいえ、2人の社員と私の小さな会社だ。昔は、浮気調査が主な仕事であったが、最近は浮気調査に加え、人を尾行するだけでなくSNSなどの調査など多岐にわたる事になり、大変である。


後は、車で走っている最中に無線機に録音されている声が聞こえると大体無断で録音機を設置しており、録音されているであろう家に行き録音機を探して、撤去費用を頂く仕事もしているが、怪しい探偵がいきなり家に行って「録音されてますよ」と言っても不安に駆られるだけで、家に入らせてくれるわけがない。

テレビでよく放映されているが、そんな戸別訪問での費用請求は、詐欺として通報されかねないので、あまり積極的に仕事として受け持つことはない。



そして浮気調査って最近は一人ではできなくなった。男性も不倫しているって自覚があるだけに男性と女性が一緒にホテルに入ることはなくなった。時間差でホテルに入ったり、ちょっとした有名人であれば、マネージャの方も一緒に入る事もある。ちょっとした郊外のホテルであれば、車にスモークはってあり、そう簡単に車の中を見ることができない


また調査する相手のSNSを調べたり、裏垢を探したりと、探偵もネットを駆使する時代になってきて、おれも四苦八苦している。時代の流れに追いつくことは一生難しいと思う。

探偵に憧れて仕事始めたが、今の時代簡単ではなくなり、憧れの職業ではなくなった。



さすがにスポンサーがいなければ、探偵事務所も成り立たなくなってきた。昔から付き合いでマンションの住人で夜逃げした人の捜索などでお世話になった不動産屋の一郎さんと会話する機会があって、スポンサーとは違うが事務所を買い取ってくれると話をもらった。俺はそのまま社長として業務を従事して問題ないといわれ、業務内容は、警護の仕事を依頼するので、それに特化できる人物を揃えてほしいと言われたので、特に問題がないと感じたので事務所ごと売却した。


融資をしてくれて親会社となったAtoB投資会社の社長や家族のボディーガード役や運転手を中心に業務を行う予定だ。あとは社長の個別の要望に対応するって内容だ。

他には、スーパードラッグAtoBの各店舗の売上金を銀行に入金するサポートを行った。店舗が銀行への入金業務は負担があり、そこに関して代理で行う事にした。探偵事務所と若干業務内容が異なるので将来的には分社化するかもしれないが、今の間は仕事もなく特に問題ない。

会社名もAtoB探偵事務所と名称変更した。



後年、投資元の社長である梅田社長から、自分のルーツを探るテレビ番組っぽいのを「ヒストリー」を作ってほしいと依頼が来た。かなり好評を得て、梅田社長から後日、事業化できないかと相談を受けた。1回500万円で販売する事にした。事業として成功したセレブの方には口コミで人気が出た。



家族会などで放映されるとお金持ちの横つながりで、依頼もひっきりなしで頂くこととなる。結婚式や銀婚式などで一族が集まったときに放映する。この依頼で大変なのは、外国の方や裏社会の方が依頼にきたときは、ルーツが辿れなくてお断りする事があった。探偵事務所からイベント制作会社へと業務内容が変わりつつあった。



----------------------------------------------+

1999.3  投資会社立ち上げ

1999.4  投資会社 名古屋駅前に本社移転  

1999.8  不動産会社買収  

1999.9  システム部門立上 システム開発開始

1999.10  薬局/病院資本参入    

1999.11  病院/専門学校買収

2000.4  本社移転と決算

2000.7  AtoB貴金属店立ち上げ

2000.8  AtoBフードサービス立ち上げ

2000.9  東海豪雨と新築建造と探偵事務所買収

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る