あほなりの旅路

あっほまん

第1話 行方不明のあほ

ある日の夕方、いやあれは朝方だったかもしれない。


ゆうじろうはたけしを探していた。


ゆうじろうがたけしを探している理由は誰にも分からない。登場人物皆分からない。作者にも分からない。この先その理由が分かることはない。


「おい、たけし!お前行方不明ってことになってるぞ!」


「おおゆうじろう!マジかよ!誰の情報だよ!?」


「街中にたけし探してますっていう張り紙出てるし。」


「おいおいなんでだ!?」


「俺が今から行方不明じゃないってことを証明してやるから。」


「ありがとう。でも、どうやって?」


「俺が警察に行ってたけしは行方不明じゃありませんって言ってくる!」


「信用してくれるかな?」


「ダメか?でもやってみる価値はあるんじゃないかな?俺は行方不明じゃないわけだし。」


「そうだな。ダメもとで行ってみてくれ。ここで誰にも見つからないように待ってるからな。信じてるよ。」


「うん。信じさせてくれるよ。」


~数時間後~


「たけし~!!!」


「おお!ゆうじろう~!!!どうだった!?」


「詳しくはインスタで~」


「なんでぇぇ!!」


「俺捕まるみたい!!」



ゆうじろうは殺人の容疑で逮捕された。


霞みゆく夕日を背に連行されるゆうじろう

いや、朝陽だったかもしれない。


手錠をされ3人の警官に連れられていくゆうじろうは、たけしとの最後になるかもしれない会話に自分の想いを詰め込んだのだった。



「えええ!?じゃあインスタ更新できねえじゃねえか!!!」


「代わりに更新頼む!!!あと熱帯魚のエサも!!」


「エサどこにあるんだよ!あとログインパスワード!」


「エサはちょうどきれたから買ってくれ!!パスワードはちちんぷいぷいぷぷんちんちん。全部小文字!!」


「なんだそのパスワード!!」


「あとばあちゃんのためのごはん!!早炊きで!!」


「分かった!!ゆうじろおおお!!!」


「たけしいいい!!!あと洗濯物よろしくううう!!!」



 

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