幼馴染が暴走チュー‼︎っす

猫の集会

だれかとめてー‼︎

 春…それはなんとも心地よい気温。

 

 そしてこの、強風っ‼︎

 

 

 おいおい…今、春何番が吹いてんだよ⁉︎

 

 桜も散りっちりだぞ?

 

 

 

「ブエックシュン‼︎」

 

 オレは鼻から侵入しようとしている花粉とやらを全力で追い出してやった。

 

「ふっ、バカめ」

 

 

「バカは、あ・ん・た‼︎」

 

 ⁉︎

 

 だれだ?オレをあんたなんて言いやがるやからは…って…

 

 

 …

 

「あー、やからさん…っすか。おはようさんですー」

 

 オレは死んださかなの目みたいになりながらご挨拶した。

 

「わたし、やたべ‼︎やたべだから‼︎」

 

 …

 

「あー、通りでやたべみたいな顔だと思いました。」

 

 …

 

「やっぱりあんたって…なんかもう…もう終わってるわ。」

 

 …

 

「閉店…ってことっすね。えぇ、もう心のシャッター閉まりましたのでお帰りください」

 

 オレは鼻をズルズルしながらポケットに手を突っ込んでやたべさんとやらをおいて歩いた。

 

 

 オレに追い越されたやたべさんとやらは、どうやらオレの幼馴染のようで…。

 

 

 でも、オレは…このやたべさんとやらと最近どうしても仲良くなれないのです。

 

 

 …

 

 なぜって…?

 

 

 だって…だってあの人…あの人は…

 

 あの人はさ、オレが大嫌いなんだとさ。

 

 

  ーさかのぼること数週間前ー

 

 

 オレは急遽、推し活とやらをはじめたのだ。

 

 

 いとこの家へ訪問した際、めっちゃかわいいハムスターに一目惚れしてしまったのだ。

 

 グレーのリスみたいな模様だった。

 それこそしっぽは、リスみたいに長くないけど…むしろめっちゃ短いけど、とにかくコロンコロンしていてかわいいのでありました。

 

 ムーさんというハムスターにであって以来、オレはハム活を始めた。

 

 ハム活をはじめたころからどうやら幼馴染のやたべさんと名乗る幼馴染の様子が変になりだしたようだ。

 

 

 まぁ、意味がわからないですけどね。

 

 いきなり、幼馴染解散‼︎と絶縁宣言された次第でございます。

 

 そもそもいつ結成していたのですか?とも思いましたが、そこはスルーしておいてあげたのですよ。

 

 で、ムーさんの元へとオレは通い詰めました。

 

 かわいい!マジデかわいいんだよなぁ♡

 

 

「あー‼︎かわいいぃーー‼︎」

 オレは道路の真ん中でかわいいを叫んだ。

 

 そしたらさ…

 

「おじさん、邪魔」

 って、やたべさんっていう奴がオレを追い越して行ったわけですよ。

 

 

 やたべさんは、なんであんなにオコ人間になってしまったのでしょうか…。

 

 

 ついこの間まで、オレの部屋で一緒にゲームを堪能していたくせに…。

 

 

 …

 

 

 急にやってきた反抗期でしょうかね?

 

 

 それからというもの、オレはハム活を本格的に始めるためにバイトを始めた。

 

 

 たくさんハムスターについて学び、そしてついにオレは、オレは、ちーちゃんというハムスターを我が家に迎え入れた!

 

 真っ白くてかわいいちーちゃん‼︎

 

 

 もぅ、めっちゃかわいい♡

 

 

 まぁ、ハムスターにしてみたらせっかく飼われるなら美少女とかに飼育されたかったって思われているかもしれないが、そこは勘弁してもらって、全力で可愛がります‼︎

 

 

 

 そんなある日、お隣のやたべさんが野菜のお裾分けをしてくださった。

 この、やたべさんはお隣の幼馴染の母親だ。

 

 

 

 おぉ、これは新鮮なお野菜。

 ぜひちーちゃんにあげようと小さくカットした。

 

 

 喜んでかぶりつくちーちゃん♡

 

 なので、後日やたべのおばさんにお礼を述べた。

 

 

 すると、なぜか激おこりの幼馴染…やたべさんがオレの部屋へと、とつしてきた。

 

 

 …⁇

 

 

 しかも…ボロ泣き…

 

 

「えっ?どうした?くる途中階段に足ぶつけたの?」

 と、オレはやたべさんとやらに聞いてみた。

 

 すると…

 

「あんたって、だれでもよかったんだ?」

 と言われましてね…

 

 

 もう⁇⁇ですよね…。

 

 

「えと…意味がわからん。とりあえずこれでからだから出てる水分拭き取りな」

 と、オレはティッシュを差し出した。

 

 

 一箱で足りんのか?ってくらい溢れ出る水分…

 

 やたべさんがオレの部屋で脱水症状になりつつあります。

 

 

 とりあえず、水分を止めなくては…

 

 蛇口があるわけじゃないから…心の蛇口を止めねばならない。

 

 

「あの、なんで泣くの?」

 

 …

 

「だって…だって…素耶もとやが…もと…やが…」

 

 …どうやら、オレのせいで蛇口が壊れていたらしい…

 

 

「え、オレが何したんだよ…」

 

 

 …

 

「浮気…‼︎」

 

 

 ⁉︎

 

 意味がわかりません。

 

 

 そもそも浮気って…誰かと付き合って初めて成立するやつ。

 

 オレ…フリー。

 

 めっちゃフリーだから、浮気もクソもない‼︎

 

「だれが浮気って?」

「もとやが…浮気‼︎」

 

 うん。

 オレの耳には、オレが浮気したと聞こえた。

 

 

 間違えて聞こえてないよね?

 変換システムとかないよね?

 オレが浮気…したんだよね?

 

 

「オレがだれと浮気したんだっけ?え?待って。オレが浮気されたの?ん?違う?オレはどの立場?てか、やたべさんが浮気されたの…かな?いや、したの…かな?ん?彼氏できたの?」

 

 もう、わけがわからなくなった。

 

 

 するといきなりやたべさんがオレに突進してきた…。

 

 

「もう‼︎だれでもいいなら…なら…わたしにしてよっ‼︎」

 とオレに抱きついてきたじゃありませんかっ⁉︎

 

 

 え?

 

「意味わかんねーな。オレは、ずっと前から美桜みお一筋ですけど?」

 と、いきなり突進してきた美桜をウェルカムして、抱きしめた。

 

 

 すると美桜は、いきなりオレからガバッと離れて、

「えっ⁉︎ほんとだれでもいいんだ?来るもの拒まずなんだ?」

 と目を見開いた。

 

 

 …?

 

 来るもの拒まずって…

 

 だれもきてないんっすけどね?

 

 美桜以外。

 

 

「あのさ、美桜…」

「な、なによ…。わたし…聞かないからね‼︎幼馴染は、別腹とか…そんなの…イヤだからねっ…‼︎」

 と、またもぼろぼろ泣き出してしまった。

 

 

 …

 

 いかん…脱水症状になってしまう…

 

 止めねば…でも、どうやって…

 

 …ってか、幼馴染は別腹ってなんだ⁇

 

「美桜…、とりあえず泣き止もう。で、幼馴染が別腹って何?」

 と質問してみた。

 

 泣いている人にも質問すると、こたえてくれるのか説。

 

 とか、やってる場合ではない‼︎

 

 しかし、美桜はこたえてくれた。

 

「ムーさん…」

 と。

 

 泣いている人は、突拍子もないこたえをしてくると立証された。

 

 って…違う‼︎

 

「ムーさん?」

 

「うん。年上のムーさんって人と付き合ってたじゃん。で、すぐ別れて今度は年下のちーちゃん…。今ちーちゃんって人と付き合ってるよね?なのに、わたしのこともさっき好きっていった。わたしは、浮気相手ってこと?本命は、ちーちゃんで…わたしは、所詮ずっと幼馴染で…本命には、なれない…。デザートは、別腹みたいに幼馴染は…別腹なんでしょ?わたしは、別ルートでしか愛されない…ただの幼馴染…」

 

 めっちゃ泣きながらも喋るわー…

 でも、美桜ってやっぱりかわいい♡

 

 昔からそうなんだよな。

 

「美桜、暴走しすぎ。」

「…恋の暴走してんのは、あんたじゃん…」

 

 オレは美桜を抱きしめながら言った。

 

「ムーさんもちーちゃんもハムスターだよ」

 って。

 

 そして、ベッドに美桜を座らせてハムスターの写真を見せてあげた。

 

「どう?理解できた?」

「えと…うん…」

 

「なら、後でちーちゃんの部屋案内するね。でも、その前に……」

 

 チュ〜♡

 

 オレは美桜を包み込むような優しいキスをした。

 

「美桜、愛してる」

「うんっ、わたしも素耶が大好きっ‼︎ごめんね…勘違いしてて…」

「いいよ、こうして美桜の気持ち知れたし」

 

 美桜の頭をナデナデして、抱きしめた。

 

 そしたら…

 

 オレは、ベッドに押し倒されて今度は美桜からの熱烈なキスをいただいたのです♡

 

 

 

 

 おしまい。

 

 

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