第40話 リリスの策略
「では、まずは私が……」
「悪いけど、私から行くよぉ♡ そっちが獲物を指定したんだからそれくらい良いよねぇ?」
「なっ……」
リリスの言葉に一瞬涙目になったナタリアだったが、即座に威厳のありそうな表情を取り戻し頷き、俺にこっそりとささやく。
「セイン様はリリスに魅了なんてされませんよね? ヘスティア様の救世主ですもんね」
ナタリアさん、むっちゃ泣きついてきた。先ほどまでの余裕はどこにいったやら無茶苦茶不安そうなんだけど!!
「ああ、大丈夫だよ。俺が大好きなのは巨乳だから、あんなメスガキに魅了されたりなんかしないよ」
「えへへ、よかったですぅ……」
ほっと一息ついたナタリアさんは、どこか厳かな雰囲気(笑)を醸し出しながら言った。
実に現金なものである。
「いいでしょう、先行はあなたに譲ります。その代わり負けたらわかってますね」
「もちろんだよー♪ 今度こそ、お兄さんを魅了して私なしじゃいられなくしてあげるね♡ 女王様の番が回ってこなくても、言い訳はなしだよ♡」
にこりと馬鹿にした笑みを浮かべるリリスがこっちにやってくる。大丈夫……俺はメスガキサキュバスに何て魅了されない。
「これをつかってお兄さんのイン〇を治してあげるねー♡」
「な……あれはまさか……」
リリスが薄い胸元から瓶を出す(その時にちらっと胸元の先端が見えたのは気のせいではないだろう、現にリリスはにやりと笑っている)そして、その瓶を見たグラベルさんが驚きの声をあげる。いいや、彼女だけではない。リリスの仲間のサキュバスも動揺しているのがわかった。
変わらないのはあの中身をしらないのか、ナタリアさんだけだ。
「リリス……それは我々サキュバス界の秘宝『エルダーマムシポーション』ではないですか!! オークロード『ドロテア』を魅了するときに使うはずでは……」
「うるさいなぁ♡ あんな性欲だけの魔物私の敵じゃないの。そんなことよりも……私はこのお兄さんを魅了しなきゃいけないんだから!! 負けっぱなし何て私のサキュバスとしてのプライドが許さないんだから!!」
仲間の制止にもリリスは聞く耳持たずにこちらへとやってくる。てか、まむしドリンクじゃん。
イン〇だと勘違いしているから治療して魅了するつもりなのか……
「悪いけど、そんな得体のしれないものを飲むわけには……」
「お兄さんの意見は聞いてないよーだ♡」
何を思ったのかリリスは自ら瓶に口をつけて自ら飲むと……いきなり俺に抱き着いてきて……
「んん!!」
「うふふ、飲みたくないなら飲ませればいんだよぉ♡ どう、気持ちいいし興奮したでしょ?」
この女口づけをして飲ませてきた!! 口内がリリスの舌に蹂躙され、変な液体が押し込まれていく。
しかも、サキュバスだからかむっちゃうまい。
「うぉぉぉぉぉ!!?」
「そーれ、勃起♡勃起♡」
この呪文はサキュバスたちの間で流行ってるの? 体が……そして、主に下半身が熱くなっていき、ない胸を押し付けて下半身をやさしくさわってくるリリスに思わず反応してしまいそうになる。
正直メスガキサキュバスに魅了されるとは思わないが、勃起したらなんか危ない目に合う気がする俺は禁断の妄想を行う。
「うおおおおおお、これは汚いおっさんの裸、汚いおっさんの裸ぁぁぁぁぁ」
「そんな……ならば私の全魔力を集中するよー。ザコザコお兄さん何て一瞬でいかせるんだから!!」
リリスの手から暖かいオーラのようなものを感じた俺は即座にそれを神聖魔法を使って無効化する。
あぶない……俺は巨乳好きだから我慢できたけど貧乳好きだったら我慢できなかった……鬼滅の刃のセリフみたいなことを思いながら、目を開くと、リリスが涙目で俺を見つめていた。
「なんで、私に魅力されないの、お兄さんのばかーーー!!」
「だって、これはそういう勝負でしょ!!」
理不尽に怒るリリスに思わずつっこみをいれながら、その体を引き離す。
「それでは私の番みたいですね。では……ハイサキュバスである私の本当の実力をお見せしましょう」
さっき俺を勃起させたからか無茶苦茶殴りたくなるどや顔でナタリアさんが言った時だった。
「きゃあぁぁぁ!!」
「みなさん、避難してください。魅了がとけたようです。ゴブリンたちが暴れています」
悲鳴とグラベルさんの言葉に顔を上げると一人のサキュバスが吹き飛ばされてきて、拘束されていたはずのゴブリンたちがいやらしい笑みを浮かべている。
「オロカナ……ワレラガイツマデモオマエラニヤラレッパナシダトオモウナヨ、メスガキガ!!」
「な、なんで正気に……?」
「おそらくですが、リリスの魔力があなたに集中し魅了の力が弱まったからでしょうか……ほかにも要因はあると思いますが、罠だったようですね」
教会は一気に阿鼻叫喚になっていく。逃げ惑うサキュバスたちだが彼女たちの身体能力は低い。すぐに追いつかれてしまうだろう
さすがにこのままじゃ寝覚めは悪いよね……それにここで救えば和解もできるだろうしナタリアさんたちの発言力だってあがるだろう。
俺が剣を構えると後ろから引っ張られたので振り向くとそこには申し訳なさそうな顔をして胸元をあらわにするナタリアさんがいた。
「一体なにやってるの? 早く逃げないと……」
「その……私とエッチなことをしてもらえませんか?」
「はぁぁぁあ?」
言葉とは裏腹に先ほど薬を飲まされた俺の下半身はナタリアさんの豊かすぎるおっぱいを見てつい元気になってしまうのだった。
『小説家になろう』にてカクヨムに投稿していたこちらの作品の投稿をはじめました。。
今ランキングが良い所までいっているのでこちらも読んでいただけると嬉しいです。
『せっかく悪役領主に転生したので、ハーレム作って好き勝手生きることにした~なのに、なぜかシナリオぶっ壊してたらしく、主人公よりもヒロインたちに慕われ世界を救っていたんだが……』
他サイトのURLははれないため検索していただく手間をかけますがよろしくお願いいたします。
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