インターセプト

インターハイ開幕22

　慧が、5ファウルでファウルアウト、つまり、退場となってしまった。また、チームファウルが5つ。そのため、シュート時のファウルではなくても、三ツ谷高校に、2つのフリースローを与えられる。

　立川のフリースロー1本目。

　立川は軽く膝を曲げたり伸ばしたりして、リズムをとる。じぶんのタイミングで、フワッとボールを浮かせた。綺麗なアーチを描いたボールは、シュッと音を立ててリングの中に入っていった。

　野崎とハイタッチをした立川は、2本目のフリースローの準備をする。

　息を吐いて、また膝でリズムをとってから、シュート。

　2本目は少し短い。

　リングに当たって、ボールが弾き返される。

　そのボールを取ったのは、快。

　快はドリブルして、ゴール下まで一気に加速。その勢いのまま、ボールをゴールに置いてきた。レインアップシュート。

　快はスピードに乗ったままだったから、ゴールを支えている柱に抱きつく格好になった。

　急には止まれない。そんな感じだ。

「ナイシュー！」

　俺は快に声をかける。続けて貴が手を叩く。

「さぁ、行こうか！　ディフェンス！！　絶対に阻止するぞ！」

　貴の声に、コートにいる城伯のメンバーが大きな声を出す。

「おぉぉぉぉ！！！！」

　貴は体を張って、ジェームズをマークする。

　ジェームズは、パスをもらいにいけず、一度、スリーポイントラインまで広がる。

　また、吉村も智樹のしつこいディフェンスにより、ボールを持っても何もできない。

「こっち！」

　市村がゴール下で呼んでいる。

　吉村はワンバウンドさせて、市村へとパスを出す。

　吉村から市村へのパスは、ただのワンバウンドさせたパスではない。

　智樹の股を通してのノールックパスだ。

「マジか……」

　智樹は、股を通されて、市村を見ずに正確にパスをした吉村に悔しさをにじませた。

「止める！」

　俺は、市村を徹底的にマークする。

　市村はジャンプシュートを選択。

　ブロック！　俺は手を伸ばす。

「よっし！」

　思わずガッツポーズした。市村のシュートをしっかりブロックする。

　ブロックしたボールは、灯がしっかりとキャッチした。

「とった！　1本行くぞ！」

　灯はそう言うと、走れと手で合図。

　真っ先に走ったのは、貴だ。

　貴は先にゴール下まで走っていく。

　そこから貴は驚異のジャンプ力を見せた。

　灯がパスを出すと、貴はダンクシュートを決めて見せた。

　片手で思いっきりリングにボールを叩きつける。

　貴の身長は178㎝。なかなか、ダンクができる身長ではない。でも、その身長で……と、思わせるような、高いジャンプ力で、観客、三ツ谷高校のメンバーを魅了した。

　バシッと力強く、灯と貴が、胴体をぶつけ合って、ハイタッチをする。

「勢いがものすごいな」

　野崎は、城伯高校の勢いに圧倒されつつあった。

「まだ終わってない。流れを変えるぞ！」

　市村は、野崎の肩をポンッと叩く。

「おう」

　野崎は力を込めて頷く。